釣りも一年ぶりなら調理も一年ぶり。今回はA君のアドバイス通り冷凍庫に生きたまま放り込んでおき、調理直前に水を流しながら解凍してみた。こうするとヌメリがきれいに取れる。
調理道具も去年のものを使用。目打ちは100円ショップ。まな板はスギ板。
背開きでいく。1回経験しているので、あわてずできた。
2匹目は今回2番目の大物。60cm超だった。
大物のほうが包丁さばきが楽である。
すでにウナギの香ばしいあぶらの匂いがしている。
3匹さばきが終了。
竹串で串打ちする。これが案外難しい。身が思ったより硬いのだ。
前回はガスで焼いてしまったが、今回はぜひとも炭火で。熾炭がたっぷりストックしてある。囲炉裏暖炉に薪で火を起こして、その上に熾炭を載せ火を移す。それを手前の灰の上に転がして、網を載せる。くっつき防止のためハケで油を塗っておいた。
やはり皮がくっついて取れてしまうものが出た。
でもまあまあいい感じにできた。
たれは前回つくったものを冷蔵しておいた。水を一滴も使っていないので腐敗なし。むしろ味が丸くなっている。それをハケで塗る。
白焼きと蒲焼きができた。
残りは蒸し器で15分ほど蒸してから・・・
また焼く。ここで目を離したすきにたれ焼きのほうを焦がしてしまった。
串を抜く。わさび醤油と山椒を用意。
これが・・・凄まじく旨い!!! とくに大物の蒸した白焼き! その香ばしさったらない、脂もあるが、さっぱりしている。もちろん蒲焼きも旨いが、次回は焼き台をきちんと作るべきだな。
思わず、野菜室から東洋美人を取り出して、萩焼の猪口で飲む。なんという幸せな口開けだろう!
そしてさっぱりとぬか漬け。
囲炉裏暖炉はよく煙を吸ってくれ、部屋に煙がこもることなく、ほとんど臭いも残らなかった。しかし、天然ウナギを自宅の囲炉裏で焼くなんてすごい体験だなw。
絶滅危惧種とまでいわれるニホンウナギだが、居るところにはいて簡単に釣れてしまう。養殖用の稚魚シラスウナギは記録的な不漁で半世紀前の約10分の1にまで減っているというのだが。
現在、8割超のウナギが海または河口で一生暮らしているという。川がウナギにとって棲みにくい環境になってしまったからだ。コンクリート護岸をやめ、少なくとも間知石ブロックか石積みでウナギの棲家を作ってやるべきだ。そして堰にはしっかりと魚道をつける。
また農薬。除草剤、化学肥料もほどほどにしてほしい。これはリンゴの木村さんの話だが、かの有名な清流の河口付近に、浚渫した土砂でできた埋立地があり、そこで自然栽培を依頼されたんだそうだ。ところがその土には緑色の結晶のようなものが光っており、試しに大豆を植えたら99パーセントが枯れたという(木村秋則『大切な人を早死にさせない食』172ページ)。
上流にある田畑で使われた肥料・農薬・除草剤が流れて堆積したものだろう・・・というのが木村さんの見解である。便利さと引き換えに失うものはあまりに大きい。有名な清流の河口ですらそうなのだ。
しかし、日本の自然はそんなにヤワではない。まだ間に合う、再生は可能だと私は思っている。上流域の環境型林業や山地酪農、中山間地〜平地の無肥料・無農薬農業、そして河川と海岸線の自然護岸化。それらを「大地の再生」の視点・手法でつなげていけば、有害物質さえ微生物で無毒化でき、驚くほどの恵みが戻って来るはずだ。