今日は月曜日で美術館系は定休のところが多いので、民間の建築めぐりをした。高田馬場でとんかつを食べてから地下鉄で神楽坂へ。地下から地上に出ると隈研吾のla kaguが目の前にあった。
倉庫を改装して中にファッション、雑貨、家具、カフェ、ブックスペースなどが配置され、テラスでは定期的にファーマーズマーケットが開催される。樹木を残してウッドデッキと2階へつながる大階段が広場的な空間を作っている。階段・手すりは設計家の力量がはっきりと出てしまう。サントリー美術館もそうだったが、隈さんは階段がすごく巧い。
ちょっと坂を下りるとやはり隈研吾設計の「赤城神社・パークコート神楽坂」がある。なんというか、日本的な屋根の作り方が、新しいんだけど奇抜に映らない。隣のパークコート(マンション)のアルミ格子がまたいい。ルーバーによってこの神社との調和が図られている。
石灯篭も隈さんのところがやったんだろう。華奢なんだけど強靭、モダンな造形だ。
神楽坂を下って飯田橋まで歩いた。ここはサラリーマンの時、出向でよく歩いた通りだ。また地下鉄に乗って表参道まで行く。
青山通りとの交差点角にある「ONE表参道」。かなり大きなカラマツ集成材のルーバーが硬質な現代建築の素材に柔らかな表情を与える。そしてケヤキ並木と呼応する。表参道は明治神宮へとつながる道で、東京における重要なファッションストリートである。中央の同潤会跡地を安藤建築によって冷たいコンクリートで覆ってしまったのは失敗だったと思うが、この霊的ポイントとも言える角地を隈建築で押さえたのは大きな救いであった。
表参道交差点から歩いてほど近く、名古屋で見たと同じ60cmの角材で作られた驚異の建築「サニーヒルズ」。写真では何度も見ていたけど、本当に現存しているのか? と不安だった。が、中にはお姉さんが二人いて、快く入場と撮影を許可してくれた。ここ、パイナップルケーキ屋さんなのである。
やはり階段と手すりが見所である。
この木組み、釘もビスも一切使われていない。伝統的な仕口組手「地獄組み」という工法を用いている。
夕刻、出版社の編集者と打ち合わせを入れていたので青山通りを赤坂見附まで歩く。途中、草月会館に立ち寄り、イサム・ノグチの石庭「天国」を見る。石組みの中に繊細な水の流れが組み込まれた傑作。本当に素晴らしい作品なのだが、撮影禁止なので全貌を紹介することができない。これまで何回も見に来ているのだが、今回は上階にカフェスペースがあるのを発見し、ガラス越しに鳥瞰したりスケッチしたりできた。
打ち合わせの後「何か食べたいものは?」と言われたので、「焼きとん」を所望した。カシラ、タン、ハツ、レバー、シロなど、高松では食べれない懐かしの味を堪能した。
お相手は黒ホッピーでキマリ。
地下鉄銀座線で宿に戻ってシャワーを浴び、着替えてからまた外へ繰り出して〆はコレ。
しかし、今日もよく歩いた。