さて、カラカラ気味にまで乾し上げた自家製ピチット干物。いよいよ焼いてみよう。
箱火鉢に燠炭をセットする。こういう焼き物や小鍋立てをやるときは、ゴトクの中をいったん深く掘り下げて、小さな炭や炭粉をたっぷり入れておくと火が長もちする。燠炭はガス台で簡単に着火するのでこういうとき便利なのである。
まずはシズを。皮側の油をあまり焦がしたくないので身のほうから焼く(一般に干物は皮から焼くが)。
皮側はさっとだけ。側面に油がにじんでぷちぷち爆ぜ始めた。
匂いもいい。
これが、悶絶するほど旨かった。身はかたく締まっているが、口の中で噛みしめるほどにふくよかな香りと深い滋味が押し寄せてくる。油焼けのような不快感はまったくない。
ここで悪役登場。餌をたらふく食べて、ソファーで爆睡していたというのに、匂いに釣られてやって来た。ネコは塩分禁止、当然ながら外へ放り出されるw。
続いてアジを焼く。バロンに変わって日本酒登場。当然、そうなりますわなw。
いい焼き色だ。これはまあまあだった。シズに比べるとちょっと弱い。しかし、十分美味しい。
シズは生干し(ピチットに入れて6日以内)も非常に旨い魚だが、このからりと乾し上げたものはさらに濃い味になっている。
今日の追加の天日干しも良かったのか? それでさらに熟成発酵が促されたのかもしれない。しかし、ここまで乾燥させた塩干物でこんな旨いのは食べたことがない。デベラ(ガンゾウヒラメの寒風干し)も旨いが、これはデベラの上を行く。
齧り跡で水分がよく抜けている感じがわかるだろう。一般の干物よりは酒のおつまみで売っているあの干物感に近い。
シズとアジ、交互に焼いて残りシズ1枚だけになった。ちょっと口休めにギンナンを焼こう。火鉢で焼くには包丁の峰で尖ったところを叩いて割れ目を付け、空気の逃げ場を作る。
この網は100円ショップで買った真鍮針金で自作したものだ(作り方はこちら)。
新もののギンナンは美しい。翡翠色というやつだ。
シズ、最後の一枚を焼く。
ギンナンを添えて盛ろう。皿は萩焼。
ああ、なごり惜しい。もうシズ漁の季節は終わった。また来年だ・・・。
魚臭さを消すためにバーブ(ローズマリーとタイム)をぱらりと振って焼く。そして、
デザートは落花生。まだ生乾きだが、じっくり時間をかければいい。
こちらも素晴らしかった。
炭火バンザイ。明日はいよいよ鍋でも・・・。
うーん、そこまで干す前に食べちゃいました
夕飯用と熱燗用に両方作るんですね
ピチットの再利用法が判って安心して仕込めます
しかしつくばにはタラやマグロ、サーモンばかりで地魚がありません
カスミストアでようやく見つけたのは山形直送ハタハタで鍋にしました
今週ようやく帰ります
同じ干物でも丸干しイモ持って帰りまあす
ピチット干物にフードセーバーをかけないで10日以上過ぎたとき、酸敗でどのぐらい味が落ちるのか? という実験を兼ねていたんですけどね。意外やこんなものができてしまい、美味さに驚いています。
昨日、漁師のM君が遊びに来ました。例の船のスクラップ屋の買い付けの帰りに寄ってくれました。いろいろやりたいことがあるようで、なかなか壮大な夢を持っているようです。私の本をめくりながら2時間ほど熱く語って帰って行きました。釣りも誘われました。楽しみです。