浅草の最終日の朝。そういえばまだ浅草寺へお参りしていない。朝いちばんに行ってきた。
荷物をまとめ、ホテルをチェックアウトして駐車場へ向かう。その前にホテル前の24時間営業「富士そば」で最後の立ち食いだ。とんかつが続いたので今日は天抜きでw。
akippaで借りた駐車場までは3駅先まで電車に乗り、そこから15分ほど歩く。一方通行の狭い路地にあるマンション前の青空駐車場だ。
便は悪いが利用料金は24時間で1000円以内と格安。安いところはすぐに予約されてしまうので予約のせめぎ合いが大変なのだが、うまくいった。それを4日間借りたわけだ。初めてのネット予約型駐車場利用だった。
東京や京都、大阪など大都会に車で旅するときいつも駐車場がネックとなる。連泊したときはホテルの駐車場代もバカにならない。今回はホテル付随の駐車場がなかったためにいろいろネットで検索したらこのシステムにたどり着いた。
常磐道で東京を出、北上する。今日は水戸の実家に行くのだがその前に見ておきたい建築があった。
伊東豊男設計「笠間の家」。前衛的作品で知られる陶芸家の故里中英人氏の元アトリエ兼住居で、遺族から寄贈を受けた笠間市が2013年4月から一般公開している。
傾斜地に建つ2階建て。湾曲した片流れ屋根の母屋に直方体が斜めからドッキングする・・・という複雑な立体構成。
公開にあたって伊東豊男の設計事務所が元の原型に近いかたちに改装を加えたそうだ。現在はカフェスペースがあり、ギャラリー、創作工房としての使用もできるようになっている。
玄関は2階にある。
室内。
白い壁と天井。床はグレーで統一。竣工は1981年、伊藤はこの作品で日本建築家協会新人賞を受賞し、一躍有名になる。いわば出世作と言える。
落ち着きのある書斎。
中央のメイン空間にはストーブがある。薪ストーブではなく石油ヒーターだそうだ。
背面にはアルミの目地を入れたグレーの壁。それに沿って1階へと続く階段がある。
ストーブ側から見た湾曲壁。壁付けの照明もオリジナルのままだそうだ。
トップライトや地窓がすごく効いている。湾曲した壁に落ちる光のグラデーションはとても美しい。
地下はコンクリート造でここが陶芸の創作スペースだった所。
客は私ひとりだったこともあり、女性の管理者が全スペースを丁寧に案内してくれた。台所もとても使いやすそうだった。
どこに居ても光の空間が楽しい。オリジナルのブレンドコーヒーをお願いして、ゆっくりとこの時間を堪能した。
この作品から19年後に「せんだいメディアテーク」が生まれ、32年後にプリツカー賞受賞、そして34年後「みんなの森 ぎふメディアコスモス」が生まれる。
ここには設計図面や伊藤の関連書籍・雑誌などが自由に閲覧できるようになっている。笠間は「日動美術館」そして魯山人の旧居「春風萬里荘」に続いて、新たな名所・遺産を得たね。
「入館無料」と太っ腹なので、建築好きには最高のカフェだw。また来よう。