朝から雨だったが、Gomyo倶楽部のイベントは決行され、怪我もなく無事終了。その後、N先生に石田高校の果樹園と学校林を案内してもらった。果樹園には2匹の柴犬がいて、サルやイノシシの被害を防いでいる。
また隣接している山林を、数メートル幅で伐採し、明るくすることでサルが樹上から直接入り込むことを防いだ。もちろん電気柵の効果もあるが、犬と伐採、この2つの威力は絶大で、それまで全滅に近い状態だった果樹園が、きちんと収穫できるようになったそうである。
イノシシ捕獲用の檻も仕掛けられている。Gomyo倶楽部の昼食でよく食べられている猪肉はここで捕獲されたものだ。
カメラも仕掛けられていて、モニターには2日前に大きなイノシシ2頭が歩く姿があった。
学校林は授業で通うことがなくなって久しく、歩道が消えているので奥に取り付けない。車道に近いヒノキ林を歩いた。下枝がついたままのヒノキで、間伐もかなり遅れているようだ。
こちらは「さぬき市民100年の森」という間伐展示林。巻き枯らしの皮むきも見える。間伐・枝打ちが行き届いていると樹形も良い。
プレートによると樹齢30年生程度だが、林縁部のヒノキはかなり太っている。間伐率を変えて実験しているようだ。へーっ、讃岐にこんな山があったのか。
学校林の取り付きを見て、「まず道を入れるといいですよ。この程度の傾斜ならバックホーひとつで案外簡単に作業道ができる」と私が言うと、今年度で学校を去るN先生は、
「あと10年早く大内さんに会っていれば・・・」と悔しがっている。四万十式作業道の本を読んでくれるそうだ。
帰りに「門入の里」をちょっと覗いてきた。温泉施設はシルバーの人たちが薪で風呂をわかして運営しているという。炭焼き小屋なんかもあって面白い。気になった橋や建築だが・・・
コンクリートは黒く変色し、木が腐食して展望用のボックスは閉鎖されていた。
手すりのディテールやコンクリート型枠の細かさは、カルロ・スカルパばりだが・・・
ここはイタリアじゃない。やはり日本の山間部の湿気はすごいと言うべきか。町の木のツバキが屋上に植栽されたコンクリート打ちっ放しの建物は「子どもたちが創造性を働かせながら遊ぶ所」だそうだが、こんな日は廃墟のようで恐くて入れない。
この沢は平成16年に台風による大規模な土石流が起きた。土石流で埋まった沢から眺めたあの橋はやこの建物は、さぞかしシュールに見えたことだろう。サルやイノシシたちは「それ見たことか・・・」と嗤っていたかもしれない。