7月からとりかかっていた大仕事がいよいよ片付きそう。7月から、といってもこの作品はこれまでの取材と準備期間の長い醸成を経ている。
本づくりは最後の最後まで気が抜けない。書き終えて、レイアウトが終わった後で、だらだらと細かい仕事が続くのだが、ここがけっこうしんどくて、堪えどころなのだ。
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昨日の夕刻、一段落したので海へ。私はイカ狙いのエギング、yuiさんは小型プラグでアジ狙い。大潮なので潮の流れが速く、風も加わってやりにくい。
先客の釣り人が帰り、外海との角が空いたのでそこを攻めてみると、暗くなりかけた頃ようやく当たりが。
アオリイカである。今年初の一杯目だ♫ いまの季節まはだ小さい。酒の肴にもう一杯釣りたい。が、暗くなってタイムアウト。
目の間にナイフを入れて〆ておいたが、家に着いてもまだ生きている。なんとも神秘的な色だ。皮膚の斑点が明滅している。
動画で撮ってみた。
だんだん透明から白くなってくる。魚屋で売られているのは、この段階を過ぎた真っ白いものだ。
透明なうちにさばく。内蔵を出し、えんぺらをとって皮をむく。皮は柔らかくてむきやすい。
刺身がいいかなと思ったが、師匠が「塩焼きがウマいすよ」と盛んにいっていたのでグリルで焼いてみた。
これが驚きの絶品だった。魚屋で買ったものを焼いたときの味とは、もうぜんぜん次元のちがう旨さだ。というか、ふつうスーパーや魚屋ではアオリイカは滅多に売っていない。よく似た形のイカは売られているが、それはスミイカ(コウイカ)で中に大きな舟形の甲が入っている(アオリイカは甲がなくスルメイカに近い軟骨を持つ)。
「んんんんん・・・・・」
「わああああ・・・・・」
と二人して唸ってしまったのだww。
「こりゃ山陰で食べた白イカの刺身に匹敵する旨味だ。歯ごたえも独特。いや、美味い!」
本醸造手作り醤油にスダチをしぼる。ビールを思わず日本酒に変えた。
ナルホド、四国のみんなが夢中になってこいつを釣るのが解る気がするw。
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追記:アオリイカは形態はコウイカに似ているが、分類上はツツイカ目ジンドウイカ科で、ヤリイカやケンサキイカ(山陰でシロイカと呼ばれる)と同じ仲間になるらしい。どうりで美味いわけだ。