朝、イタルさんが来てまたミニトマトの苗をくれるという。畑について行ってクワを借り自分で掘った。採りきれなかった実が地面に落ちて自然に発芽したものだというが、苗木は昨日のよりやや大きい。石垣の角に植えて下に這わせるといいという。ナルホド。そういえばエンドウマメの「石垣植え」という荒技もあって、石垣の隙間の土の部分に種を植えてしまうのだ。石垣は暖かいので成長がいいとか。トマト苗は買うと高いし、買う時期を逃した感があって本数が少なかったので助かった。完熟のミニトマト、楽しみである。
前日記にも書いたこのページのスポンサードリンクの「肥料を入れない野菜の宅配」の会社から資料が届く。締め切りの迫ったイラストがあったのだけど一気に2冊を読んでしまう。この中の7割くらいは僕も勉強していて既知のものだが、3割は新たな問題提起が書かれている。なかなか衝撃的な内容である。とにかく、僕が知りたいのは「肥料を入れないのになぜ育つのか?」ということなのだが、なんとなく納得はできた。あとは実践してみるだけだ。
相方と二人「牛糞とか鶏糞はできればつかいたくないよなー」などと話してしたところだった。理由はまず糞がクサイからである。堆肥が完熟するまではかなり臭うだろうし、鶏糞はそれ自体が不快な臭いがする。それに、その家畜の飼料の危険性も考えられる。だいいち外部から肥料を運ぶのは、ここでは車で上がれないので背負子で運び上げるのは気が滅入る。
世界救世教の岡田茂吉らが提唱実践している動物堆肥を入れない自然農を知らないわけではないが、このメカニズムを科学的に説明してくれる人はいままでいなかったのではないか。このあたり、どうしても宗教がかってしまうのだ。しかし確信を持てる長年の実践者の数が、いま急速に増えているのかもしれない。
土壌消毒はお隣のイタルさんもやっているし、Y先生は無農薬だけど鶏糞はかなり投入している。僕らがこのような自然農を実践するとなるといろいろ問題も出てくるかな・・・。「ジャガイモは化成肥料か鶏糞を入れなきゃ大きくならないよ」などと言われたりしているのである。これは僕らが避けて通れないところだし、無肥料で本当にいい野菜ができるとしたら農業観が根底からひっくり変えるようなことだ。ともあれ、僕らはこの自然農を実践する恵まれた場所があるのだ。
夕刻から連載原稿とイラストの本描き。途中仮眠をとって徹夜で仕上げる。この連載は毎回毎回渾身の力を込めて描いているから終わるとくたくたになる。『現代農業』次号(8月号)は連載の他にカブト虫に関する論考を寄稿しています。バックナンバーも図書館などでぜひ読んでみてね。
昼の食事はいつも外。毎日のように使う「ちびカマ君」ががんばっている。イスやテーブルは昨年秋からだいぶん進化しましたネ。