川越の画家、岩崎勝平展


朝からコペンに乗り、太田の焼きそばを食べにいく。その後、川越へ。前回の静岡への旅で富士宮の焼きそばの存在を知ったのだが、その富士宮で「群馬っていえば太田の焼きそばも有名じゃないですか?」なんて言われて、アトリエに戻ってからネットで調べてみると、たしかにゾクゾク情報が出てくる。ただし、富士宮のような各店共通の特徴があるものではなさそうだ。とりあえず3~4店舗の店名と住所をひかえてカーナビにセット。

僕らが食べたのは焼きそばと焼き饅頭の有名店。出てきた焼きそばは真っ黒。麺は太めの手打ち(たぶん)麺。具はキャベツだけ。青のりはかかっているが紅ショウガもない。その色にぎょっとするが意外に塩っぱくはない。でも、これがウマイとは言えないなぁ。富士宮の勝ちだ。

川越は蔵づくりの古い建築が残る町として観光名所にもなっているが、僕も相方yuiも初めての訪問。僕らがまず目指したのは川越市立美術館。ここで「生誕100年 岩崎勝平展」を見たかったのだ。ある雑誌で岩崎勝平の「夏」という作品を見て衝撃を受けてしまった。バルテュスを彷彿させる強烈な光を放つ絵。こんな絵を書く画家が日本にいたのか?

それは浴衣姿の少女の絵だが、原画はやっぱり素晴らしかった。他にもいい作品があったけど、この「夏」の2作はもう強烈すぎる。いったい、彼はこの絵をどんな状況で、どんな思いで描いたのだろうか? いや、そんなことはどうでもいい・・・。

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美術館に車を止めたまま、徒歩で蔵づくりの通りへ。最初にふらりと入ったお店でタイ直輸入の服を見つけてしまう。これが生地・デザインとも良く値段が安い。ライブのステージ衣装にゲット。

その後、重要文化財の「大沢家住宅」へ。ご主人じきじきに建物の説明を受ける。土壁の厚みは30cm、中には丸竹の格子とそれを結ぶのはアケビのつる、ワラ縄もたっぷり入っている。数年前に壁を補修したのだが、古い土と新しい土を混ぜ、2年半かけて土を寝かせ養生させたという(本当は3年以上かけるといいそうだ)。

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駐車場に戻ると、係のおじさんが「ゆっくり見れたかい?」と話しかけてくる。「群馬の人はけっこう来るよ。ところで、この車はダイハツ?」「ええ、軽だけどオープンになるんですよ」と受け答えして、車に乗り込んで自動オープンにして出発しようとすると、おじさんはパチパチと拍手し「気をつけてお帰りください。またのお越しを!」と送り出してくれる。

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黄昏の川越の町。渋滞の中、やや涼しげな風が吹き始めた道をオープンのコペンが走る。夕暮れの帰宅と買い物の時間。聖と俗とが交差する特別な時だ。気持ちいい風を感じていると、新興住宅地の道を、ヘルメットをかぶらされた幼児が母親のフード付き自転車に乗って走っていった。


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