朝から畑作業に入る。周囲の草刈り、水路周りの草刈り、ニンジンや枝豆の草取り、白インゲンの支柱直しなど、やることはたくさんある。そして敷地全体を回ってじっくりと観察する。ここに来てもうすぐ1年になるが、この1年は敷地の四季をじっくり観察する時間だと思っていた。この場所でどんな花が咲くのか、どんな昆虫たちがやってくるのか、どんな山菜と出会えるのか、周囲の人たちはどんな農時歴のもとに動いているのか、雨や雪と沢水の流れは周年どう変わるのか。その匂いや音に耳をそばだて、この敷地全体の鼓動を受け取らねば、と思った。春になって僕は煙草を止めてしまったが、それは匂いや味覚を鋭敏に感じたかったからだ。
畑仕事で汗まみれになり、早い時間に風呂に入ってビールを飲みつつパソコンの教本を読んでいると「nobuさん(僕のこと)こそ地球防衛軍だよな~」と相方yuiがつぶやいた。ふむ。ちょっと嬉しい評価に、夕飯を奮発することにする。今夜は、
「豚ロース薄切りでショウガ焼き」。
フライパンで3枚づつ、肉を焼き、ボールに移していく。肉に火が通る直前に取り出し、ボールに取り置くのがポイント。ぜんぶ焼いてから、空のフライパンにすりたてのショウガ・日本酒・みりんを入れてフランベした後、肉を戻し、醤油で味付け。隠し味にバルサミコ酢を入れる。肉はすぐに取り出し、フライパンに残ったソースを煮詰め、肉の上にかける。キャベせんが合いますです。付け合わせはアトリエ産のジャガイモとニンジンの茹でたもの。味噌汁の出汁は削りたてのかつお節。具は畑からもぎたてのインゲン豆とカボチャ。ん、めちゃウマっす!
アトリエ近くの道にオミナエシの花が満開だ。近所のOさんが少年時代の追憶をもとに移植し育てたものなのだが、ここはいま「オミナエシ街道」と呼ばれ、観光客がカメラ片手に訪れるまでになった。前日、コペンでここを通ると、御荷鉾山をバックにしたビューポイントで撮影中のおじさんがいる。で、コペンの勇姿を撮ってもらいました。