囲炉裏パン/その3


天気がよく暖かいので、相方と森に入って薪拾いをする。生きた木を伐採したものは乾燥の時間が必用だが、落下した枯れ枝はその手間がいらず、すぐ薪として使える。囲炉裏ではこんな細い枝も役にたつ。太い薪だけでは炎が立たず煙ることがあるが、同時に細かい薪を燃やしておくと炎が安定して具合がよかったりするのである。小1時間で背負子4杯分の小枝を集め、それをいくつかの束にしばって使いやすくまとめておく。このような枯れ枝は(スギの枯れ枝も)、昔は各戸で競い合うように拾ったのだが、いまは誰も使わないので拾いほうだいである。

middle_1137149229

午後は相方が仕込んだパン種を囲炉裏で焼いた。前に竹串にねじりパン方式でくっつけて焼く方法を紹介したが、パンは鍋でも焼ける。中にくしゃくしゃにしたアルミホイルを敷き、さらに別のアルミホイルに薄く油を敷いた上にパン種を置く。蓋の取手も金属製のものならば、上に熾炭を載せればオーブン調理になるのである。

middle_1137148751

middle_1137148782

囲炉裏の場合は、火の中心に常に熾き炭が作られるので、それをときどき火ばさみで取り出して蓋の上に置いていく。この方法で、ちょうどメロンパン大のものが約20分で焼き上がる。自然食品店などで売っている天然酵母の全粒粉パンのように、ずっしりした香ばしい田舎パンで、切ってから網焼きするとまたカリっとして美味しい。

middle_1137148819

middle_1137148860

middle_1137148899

下の火の火力は米を炊くときと比べてずっと弱火でいいようだ(炎を立てすぎると裏面が焦げてしまう)。この方法はダッジ・オーブンと同じやり方だが、手元にたまたまあったアルミ厚手鍋がちょうど具合がいい。これは最も薪を使わないローコストなパン焼きの方法だろうと思う。

前日、宇都宮の友人宅からクール宅急便で届いた餃子も焼いた。宇都宮といえば餃子。でも前に食べにいったとき懐疑的だったけど、この餃子は美味しかった。前言撤回す。囲炉裏の灰の中に埋まっている瓶の中にはパン種に使う天然酵母(発芽玄米の酒粕)が入って保温中。

middle_1137149049


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください