大谷、再び足利へ


天気が良く暖かい。また栃木方面にお出かけ。前々から興味を持っていた大谷石の採掘跡を見にいく。大谷石は栃木県の宇都宮の近くにある大谷という町にある岩脈で、その石は軽く加工しやすく色も爽やかなクリーム色で、素材感がとても優しい。火災にも強い。水戸で生まれ育った僕は、この石には馴染みが深い。蔵の建築に使われていたり、大谷石の町の塀はそこかしこでみられたものである。

「大谷資料館」ではその石や採掘道具などををみられるだけでなく、採掘跡の地下壕に入れるのだった。すでに資料館に近づくにつて大谷石の岸壁がそこかしこにそそり立ち、露天掘りで採掘した跡もみられる。地下道からその採掘跡に入る。寒い。中の空間は驚くほど広い。だけど、かつて日原鍾乳洞で受けたような感銘はなかった。ここでアートの展示やイベントが行なわれているそうだが、僕は見たいとは思わない。ただし、大谷石が魅力的な建築素材であることには変わりない。

大正時代、フランク・ロイド・ライトが「帝国ホテル」の建築設計にこの大谷石を採用したことは有名だ。装飾過剰なライトの作風に、この大谷石の気品のあるナチュラルさは、多いに貢献したことだろう。ライトはこの大谷石に惚れ込み、設計・施行の過程でわくわくしながら完成を見守ったことだろう。

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大谷石見学で遅くなってしまい、アトリエに深夜に変えるのが勿体なくなり、足利のビジネスホテルを探して泊まることにした。というのも、12日の足利行きが不発だったのが気になって、もう一度みておきたい感じがしたのだ。泊まるには金がかかり、躊躇したがとりあえず喫茶店でコーヒーを飲んだのだが、その足利学校の近くにある「はせがわ」という喫茶店の雰囲気とコーヒーの味がすばらしく、やっぱり一泊して足利をもう一度みておこう、ということで相方と意見が一致した。

旅するときにはいつも1~2冊本を持っていくのだが、今回は『ルイス・カーンとはだれか』香山壽夫(王国社)だ。近代建築の巨匠カーンの分析である。面白くてぐいぐい引き込まれる。

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ホテルに荷物をおいて飲みにでた。そこは目抜き通りなんだけど飲み屋はあまりにも少ない。ようやく焼き鳥屋をみつけた。そこはおでんと焼き鳥しかない店で、バラック屋根をかけただけの粗末なつくりだったが、味はとてもよかった。テーブルはコードリールを置いただけのもので、その中心になんと七輪がはまっており炭が赤々と燃えている。う~んシブい。やっぱり足利はいい町だ。

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だが、2件目がマズかった。駅前の居酒屋チェーン「S」に入ってみたのだが、中は閑古鳥が鳴いており、アテも不味い。


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