京都四国旅(7.ヨドコウ迎賓館)


兵庫県芦屋市にある重要文化財建築「ヨドコウ迎賓館」を見に行く。大正時代に建てられたフランク・ロイド・ライト設計の住宅建築である。ここは四国へ行く旅すがら何度も立ち寄ったことがあるのだが、毎回ふられて(開館日が週3日のため)今回は下調べしてちゃんと見られる日を選んでおいたのだ。

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斜面のひょろ長い敷地に沿うように、4階建てになっている。複雑な構造だ。ここは入り口。2階が応接室。

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大谷石に彫り込みを入れた飾り石や銅板の飾り金具は旧帝国ホテルを思わせる。まあずっとおとなしいけれども。

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残念ながら室内は撮影禁止。中で見た補修の歴史ビデオによれば補修費用は2億円。内部の傷みはかなり激しく、内装はほぼ全面取り替えのようだった。フラットな屋根は日本の気候風土では雨漏りしやすく、天井などはことに悲惨な状況であったようだ。

しかし、ライトの装飾のリズムや空間感覚は凄い。私が最も興味をそそられたのは暖炉のデザインや構造である。そもそもこの建物は灘の造り酒屋「櫻正宗」の八代目当主山邑太左衛門の別邸として造られたもので、1947年から淀川製鋼所が所有し、社長公邸や独身寮などとして使われたという。

その後、取り壊されてマンション建設地になる計画が持ち上がったが、日大工学部(おお、私の出身校ではないか!)のライト研究家、谷川正己教授が淀川製鋼所を訪れて説得し、保存を実現させたというエピソードがある。そして74年に文化財指定を受けたのだった。

ライトは暖炉を実用として使うことが好きで、生涯に1000以上の暖炉を設計したという。どんなに予算がなくても、暖炉だけは外さなかったそうだ。いま、なぜライトの建築が世界的に注目を集めているのか? デザインだけではなく、このライトの方向性と心情に理由がありそうだ。

未完の建築家ライト

ライトの暖炉


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