ここのところキツツキのドラミングがよく聞こえる。少なくとも3~4匹、同時に方々から聞こえるのだった。
と、なにやら薪置き場から「カリカリ・・・」というかすかな音が。これは薪に虫喰いが入ってしまったのだ。昨年の1月に伐ったクヌギの薪がとくにひどい。
丸1年乾燥したのだから、今時分は最高の薪として囲炉裏で活躍するはずだった。思えば初夏の頃、カミキリムシがさかんに産卵に来ていた。そして秋あたりから「カリカリ」と音が聞こえるようになり、薪置き場に木の粉が吹いている。皮をはいでみると小さな白いイモムシがぽろぽろと落ちた。
木には伐り旬というものがあある。水を吸わなくなる秋に時期に伐るのがよい。これは人が感じるよりもやや早い季節になる。すなわち夏のお盆(8月中下旬)を過ぎると木は成長活動を停止する。そして翌年の1月になるとすでに木にとっては春。水を吸い始め、生命活動を再開している。水を吸っている時期の木は重く、乾きにくく、虫食いが入りやすい。また新月の頃に伐ると虫が入らないということも言われている。
しかし、これほど虫食いがひどいとは思わなかった。今後は注意しよう。キツツキはこのようなイモムシをついばんで食べているので、まあ、鳥たちのためにはいいことなのだ。
昼食に薪を使っているとき、ちなみにクヌギ薪を地面に叩きつけてみると簡単に折れてしまい、中からイモムシがぽろぽろと落ちた。断面はレンコンのように穴だらけで、その中にはイモムシがたくさん入ってうごめいている。30cmほどの薪を2本、金づちで叩いて徹底的に虫を取り出してフライパンに集めてみた。実は、このイモムシは蜂の子と同じようにとても美味しい。
東南アジアでは昆虫食は盛んになされている。タイに旅したとき、虫食専門の屋台があって、話しにきいていたものの驚かされたものだ。バッタ、コオロギ、タガメ、大きいの、小さいの、黒いの、赤いの。けっこう美人のお姉さんがそれを買いに来てたりして。
薪のうまみを横取りされた腹いせというわけでもないが、表面がカリッとなるまでから煎りし、僕もスナックのように食べた。キツツキになったような気分で・・・。