アマガエルが気づかせてくれたこと


Tree frog


ひと月ほど前から、庭先にある大きなヤエザクラから鳴き声がしていた。井戸のガジャポンや薪割りを始めると、その音に反応するように鳴き始める。「くえっくえっくえっ・・・」というような、速い連続音のかなり大きな声だ。

最初は鳥か? と思った。しかし姿が分からない。近づくと鳴きやみ、飛び去る様子はない。木の内部から鳴いているようにも聞こえる。虫か??? たとえばバッタやセミのような。しかし、こんな虫の鳴き声は聞いた事がないし、虫なら近づけば飛び去る動きがみえるはずなのだ。

先日、やっとその正体が分かった。アマガエルであった。

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近所の田んぼはかなり離れているので、いったいどこから来たのか? と訝ったが、数か所かで鳴いているので家の周りに何個体かいるようだ。カエルといえば水辺の大合唱でおなじみだが、単体で樹上で鳴かれると判らないものだ。

アマガエルは英名「Tree frog」と呼ぶそうで、意外にも乾燥に強く樹上が好きらしい。水場には産卵期以外は近づかない。

住むことで調和する


さて、桐生の里山生活も2年目に入った。昨年の最初の梅雨どきは庭木に毛虫が出てずいぶん難儀したものだ。昨年は生け垣もヤエザクラも丸坊主になるほど食われたし、家の中にも毛虫やイモムシが多数侵入して辟易したものだ(しかし灯火に集まる虫はとても少なかった)。

ところが、今年はほとんど被害がない。このアマガエルも虫取りに協力してくれているのだろうか(お腹がかなり膨れている2枚目の写真に注目)。また、我が庭には多数の鳥たちがやって来る。先日はヤエザクラにガビチョウまでやってきた。この鳥も大量の虫を食べる。また、ツバメたちが並んで電線に止まりながら、わが家の生け垣を見ているときがある(今年は灯火にガが来ている)。

私たちは草刈りにエンジンカッターは使わないし除草剤も殺虫剤も使わないので、虫も鳥もカエルも 安心なのだろうか。

旧アトリエでも感じていたことだが、虫や動物たちは何か波長のようなものを感知するのではないだろうか。人が家に住み、庭を適度に(かなりテキトーだが)管理することで、彼らも調和を保ちながら、庭先を利用している。人がいるということが重要な気がしてならない(昨年までは空き家で庭は荒れ放題であった。しかし、近所の方が不動産屋さんに管理委託され、周囲に、家周囲に除草剤・殺虫剤を撒いていた可能性は高い)。

虫の被害と薪火暮らし


ここでもう一つ、薪火を生活に使うということが、とても重要になってくる。木灰は強アルカリで殺菌作用がある。煙は除虫効果がある。ところが、私たち人間は何千年も火とともに暮らしてきたので、灰にも煙にも耐性を持っている(そしていま人は薪火を捨て、電磁波という新たな脅威を受け入れようとしている)。

旧アトリエは高地だったのでゴキブリは生息していなかったがここ桐生では居る。昨年入居したばかりの頃は、何度かゴキブリが歩いていて悲鳴を上げたものだ(私もyuiさんもゴキは大嫌いなのだ)。ところが、私たちは今年になって(囲炉裏を使い始めてから)生きたゴキブリをまだ1匹も見ていない(2階で死んでいる1個体はみた)。

薬品やエンジン機器を使わず、薪火を使うことで、周囲の生物層に大きな逆転が起きているのではないか。

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