用があって東京へ行くことになり、児玉駅にCopenを置いて電車で向かった。電車は缶ビールが飲めるから良いね。八高線の車窓からは里山風景の中に満開の梅が点在する。小川町で私鉄に乗り換えて都内からは地下鉄へ。
で、時間の空きに向かったのは表参道のアンドウ建築「表参道ヒルズ」。ずいぶん前から注目してたんだけど、中に入るとガラスとコンクリートの質感、電磁波とイリュージョンのような照明・音楽にグラグラと頭が痛くなってくる。表参道のケヤキ並木を生かすという触れ込みで、外観は建築高を押さえてあるのだが、中は6階に地下構造で掘り下げてある。そのメインの建築構造は、中央が細長い吹き抜けになっており、そこを螺旋状に回廊がまわっているというもの。でも、その螺旋は全体に表参道の傾斜にならってナナメッている。それがとても不安感を誘う。その周囲にブティックやレストランなんかが並んでいる。
ニューヨークのグッゲンハイム美術館(フランク・ロイド・ライト作)からヒントを得たのかな。しかし、館内のオシャレなラーメン屋は1杯1,200円もするし、バーでワインを飲もうと思ったらグラス1,000円もするし。ブティックの雰囲気には悪魔的黒魔術的なイメージに満ちていて、とても長く居れる場所ではなかった。なにしろクライアントは森ビルだものな(笑)。
それにしても、表参道はガラス建築が増えた。冷暖房効率の極めて悪いこの建築が、いま全国的に闊歩しているのは何故だ? ガラス・アルミは製造過程で大量の化石燃料を消費し、CO2を多量に排出する。それを、マスコミはまったく批判しない。
「こりゃダメだ。新宿行こう!」というわけで原宿から山の手線へ。なんたってサラリーマン時代から通い詰めた新宿である。昔の住まいは西武新宿線沿線と五日市線沿線、というわけで、新宿は打ち合わせに向かうときの起点でもあった。行きつけは新宿駅構内にあるカフェというかバールというか、とにかく狭い店なんだけどここでイラストの打ち合わせの帰りにビールで一息ついたものだ(表参道ヒルズの半額だよ)。