群馬の焼きそばがあまりに情けない代物だったので、相方yuiに東京浅草のディープな焼きそばをごちそうしようと朝からコペンを走らせる。ところが、佇まいは同じだったその渋い店は、味がなんとなく変わってしまって、フツーの焼きそばになっている。ひょっとしたら僕が変わってしまったのかな。ともあれ浦島太郎になったような気分だった。
浅草は意外や元気で人が多かった。藤棚のある裏ぶれた飲み屋街はまだ明るいというのに喧噪をきわめており、パリのカフェやイタリアのバールを思わせる路上テーブルでの「飲み」の雰囲気がなかなか良かった(まあ、かなり暗めではありますが/笑)。これまた渋い喫茶店を見つけてアイスコーヒーで涼む。
青山通りから表参道にコペンを走らせる。すごい人の波に相方yuiが驚いている。同潤会アパート敷地でのアンドウのガラス建築が建設中である。高田馬場のブラジル系ライブハウス「コルコバード」に行ったら3月から休業中と立て札があってがっかり。もう一件、四谷にブラジル系があるのを知っていたのだが、店名がどうしても思い出せない。
新宿まで戻り、ヨドバシカメラのパソコンコーナーでネット検索して「サッシペレレ」という店名がわかり、コペンのカーナビにセットしてたどり着く。小野リサのお父さんが経営しているもう30年続いている店で、この日はそのオーナー小野さんがいらっしゃって僕らを席に案内してくれた。
ライブはボーカル&ギターのシッキーニョさんと日本人ドラムスのデュオ。ギターはセミアコで弾き語りだけど、すごくリズミックで弾き方に色がある。曲目はボサノバのスタンダードメドレー。ドラムもはぎれよく気持ちよかった。食事は初めて食べたブラジルのソウルフード「フェジョアーダ」。小豆に似た豆と牛の内蔵を煮込んだもの。トッピングにタロイモ(だったと思う)の粉末をふりかける。美味しかった。
ステージ第二部「トリステーザ」でシッキーニョさんが「サンバ踊ろう!」と観客を引きづりだし、僕らもペットボトルに砂の入ったマラカスを渡され、ステップを教わって、踊ることになってしまう。うーん、汗だく、楽しい、これがブラジルだぁ! というわけで、アトリエに帰還したのは深夜12時過ぎ。
今日は、埼玉県の神泉村にある自然食レストラン&ギャラリー「ななくさの庭」での個展&ライブを、11月にやることを決めてきた。それで、研修を兼ねたというわけなのである。