ジャガイモをひたひたの水で茹で、それに鰹節の出汁を足して、夕べのハンバーグの材料の残りをミートボールにしてスープの中へ。ハーブはセロリとネギとフェンネル。冷やご飯も入れて焚き火でぐつぐつ。
ここで薬味酢をつくる。つぶしたニンニクと青唐辛子のスライスにお酢を入れ、手で押しエキスを酢に滲出させる。できた粥にこれをたらりとかけると、一気にタイ風になるのだ。うーん、辛いが旨い。
相方は再来月の個展に向けて、野草の繊維入り手透き和紙づくり。さて、この紙で何が生まれるのでしょうか?
完成品が楽しみですね。
午後から草津へ。八ツ場ダム完成後、水没予定地になる辺りで夕日が差してくる。景勝「丸岩」の下ではすでに土木工事が進んでいる。これだけの利害が動いていると、もうこの愚行を止めることはできないのだろうか。
今日は「地蔵の湯」へ入る。無料の共同浴場だが、改修されたばかりで木造の立派な建物になっていた。木の湯船も新しいが、いかんせん樋から落ちる湯量が少ないのが気になった。しかし、さすが草津の湯というべきか、かなり効いた。
草津の湯は源泉掛け流しはもちろんだが強酸性の他に「熱い」という特徴をもつ。女湯は1分もつかれないほど熱かったとか。僕のほうはぬるめだったので、なんだかモノ足らずもう一カ所ハシゴを、と考えつつ「湯の畑」へ歩き出したところで、身体になんとも爽快なじわじわ感がやってくる。
「う~ん、地蔵の湯すごいね。こりゃ1軒で十分だ」
「キクねぇ~、さすが草津!」
車をとばしてやって来るだけの価値はある。草津を知らずして群馬を語ることなかれ。僕も相方も、温泉にそれほど興味ある人間ではなかった。しかし、群馬に越して1年目あたりから群馬の温泉にぞっこんである。そしていま、湯質の横綱はなんといっても草津である。
山村に住むことで必然的に生まれる汗だくの労働や、切り傷や虫さされ、それらを癒す場所として、かつて「湯治」というものがあった。僕らもここにたどり着いたのかな? まあ、なんたって温泉は水。身体まるごと、地球との対話なのである。写真はこんこんと湧く草津「湯畑」のライトアップ。