林道取材14.(陣屋、吉島家、富士山)


朝、外をみると雪! 宿で朴葉味噌つきの朝食をいただき、開館直後の「陣屋」を見学。

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江戸時代の高山は幕府の直轄地で代官所が置かれていた。その建物が残っている。元の殿様は追い出されてしまったのだが、「悪代官」ということばがあるように、高山でも厳しい年貢の取り立てに百姓一揆がおきたようだ。幕府にとって高山は木材供給の拠点として重要だったし、純朴な人が多くて制圧しやすかったのだろうか。権力欲をもつ人がこの地に育たなかった、ということも考えられる。

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雪は小雨になる。古い街並を通りながら「吉島家住宅」を見に行く。10年ぶりの再訪である。入り口から奥まで土間の空間を配して、そこに採光通風窓を設けている。2階の段差を設けた個々の部屋の配置は、明治村でみた東松家住宅とよく似ている。

それにしても寒い家だ。囲炉裏はあるが、炎を立てた跡はなくずっと炭を使っていたようだ。贅を尽くせるほどの商人なら、暖の工夫もいくらでもできただろうに、そうではないということは、寒さに強かったのか、我々の知らない暖の工夫が他にあるのか、それともこのような家の形式が当たり前と美しさを固辞したのか。

たしかに材も凄いし、技巧も凄い技術なんだろうけど、これをただ賛美しているだけじゃ前へは進めない。管理のおばさんと話しているうちに、明かり窓を大きく開けてもらえることになり、全開すると「おおおっ」とため息がでるほど明るくなり、柱や梁がいちだんと鮮やかに照らし出される。

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安房峠を越えようとしたが途中から雪が降ってきたので引き返す。下呂温泉へ下る道から中央高速へ乗って、山梨から雁坂峠を越えるルートで帰還。高速上から、珍しく夕映えの富士山が見え続けた。


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