群馬はラーメン屋が多い。しかも、そのスタイルは百花繚乱でレベルが高い、と思う。群馬の外食で気づくのは「肉食」系が元気だ。ということである。海なし県だから当たり前かもしれないが。そもそも畜産が盛んであること。トラック道が多いこと。工場が多いこと。関東平野のすそにあり、土木建築工事に恵まれていること。昼飯でコッテリ外食する人が多いのである。そこに住む人、食を利用する人の好みを、その地の外食産業は反映する。パワフルな外食人口が、群馬の食を特徴づけているように思う。その奥に潜在する群馬の秘密にも気づいたのだが、それはいずれ語ることにする。
さて、以前から気になっていた太田の「サッポロラーメン羆(ひぐま)」へ行ってきた。12時開店の、10分前に店に着いたらすでに行列。
なんとか座れて、僕らはゆで麺2回目のインターバル。相方は「羆ラーメン」750円。
僕はウワサの「味噌チャーシュー」900円。
このチャーシューが分厚くデカイ3枚で有名なのだが、食べてみてこれまたびっくり。美味いのである。バラ肉チャーシューなのに、臭みや脂くどさがない。それでいて、肉の旨味が閉じ込められれている。炒めたモヤシのしゃきしゃき感。「焦がしネギ」がぐいっ!と舵をとるバランスもいい。
チャーシューは限定なので、1時すぎには売りれになってしまった。早く来てよかった!
カウンター越しに見る、店主のラーメン作りに気合いが入っている。サポートする家族の女性陣がまた真摯なのがいい。こうして美味いものが作られる。この家族経営が、群馬の美味い店の秘密でもある。
羆は太田に3店舗あるのだが、あとの2店を探求せねばなるまい。
さて、翌日。別件で町へ出る用事があったのでまたラーメン。
ぐっと変わってオシャレなラーメン屋、伊勢崎の「いまるや」へ。店内はジャズが流れ、ピカソのリトグラフ・ポスターが架かっている。数日前食べた醤油ラーメンがなかなか良かった。今回はこの店の目玉である「つけめん」を頼む。
この中華の「つけめん」、初めて食べたのだが、麺は茹でたあと水でしめた冷や麺でそれに濃いめの熱いスープにつけながら食べる。スープは普通のラーメンのものより濃く、酸味・甘みもある。中の具はラーメンと同じものが入っている。
麺、スープ、具、それぞれはいいのだが、どうもこの食べ方は味わいに一体感がない。僕にはダメだった。つけめんには「スープ割り」といって、最後に残った汁にスープを足してもらい、それを味わう、というものが好みでできる。それもやってみたが、なんともしっくりこない。ざるそばを食べて蕎麦湯でしめる感じか? でも、最後まで気持ちはバラバラだった。
が、ここのふつうの醤油や塩ラーメンは非常に洗練された味わいで美味い。昼1時過ぎに行ったのだが、やはり30分ほど待たされた。
群馬の食は深いのである。