梅雨の晴れ間、ものすごくいい天気。なので麦束を干すことに。布団干し用のステンレス・パイプ流用。
干せない分はブルーシートの上に広げる。
突然ですが、昼食は太田の味噌ラーメン店『羆(ひぐま)』由良店へ(笑)。桐生暮らしは思い立ったとき車でさっと行けるからサイコー。ここは兄妹店が3店舗ある。「石原店」、それに「龍舞店」。この2店は制覇したんだが、最後の「由良店」だけはふられ続けていた。実はこの羆の3店舗、臨時休業が非常に多いのである。餃子、味は石原店に似ている、ニンニクが効いて美味しい。でも、皮の厚みや香ばしさでは石原店が上かな。
yuiさんは「ひぐま」。野菜たっぷりのスペシャルバージョン。
私はデフォルトの味噌ラーメン。それにチャーシュー1枚をトッピング。ここ『羆』の特徴の一つは、このチャーシューのデカさにある。バラ肉、しかも厚みが1cm近くある。これがくどくない。脂が適度に抜けているのだが肉の味わいは残っているという、絶妙のチャーシューなのだ。で、普通にチャーシューを頼むとこれが3枚も付いてくるのだ(笑)。旧アトリエで肉体労働バンバンやっていたトきは食えたけどねぇ、今は無理です。で1枚(150円)にしてもらいました。
麺は硬め、スープは美味しいです。表面にラード多し、そして焦がしネギが羆を特徴づけている。由良店、思ったより店内がキレイで広くて、若夫婦と老夫婦の4人体制でやっている。接客がプロしていた。行ってみればここが桐生から最も近い『羆』。また行こう。
て、家に戻ってデザート。京都の舞子さんのエッセイのように井戸水で足を冷やしながらスイカを食べてみた。
暑いとき、この井戸水というやつ、めちゃ冷たく感じるだけでなく、底力がありますな。冷たさが引かないのです。ずーっと冷たい。薪風呂がずーっと温かいのと同じごとく・・・。不思議だ。しかも、足の心地よい冷たさが、体にずっと残る。
井戸水は相対的なんですよね。厳冬期は、この井戸水が温く感じる。食器洗いのとき水道水よりずっと温かいので、「ガス瞬間湯沸かし器」がいらないのです(持ってないけど)。
昼寝した後また麦を移動して乾かしたり格納したり。
うーんよく働いた、今日も。
夕闇が迫る頃、庭先で、チビカマ君で焚き火しながらビールを飲む。
ホトトギスが鳴きながら飛んで行く。蝉の声が聞こえる。yuiさんと私。どちらともなく
「豊かだねぇ・・・」とつぶやく。
ふと、私の脳裏にアメリカの建築家フランク・ロイド・ライトの「落水荘」の暖炉が浮かんだのです。アメリカのデパート王のために造った別荘、滝の上に構築した建物。そこには日本の囲炉裏からヒントを得たという、暖炉がある。
しかし、私たちもここで火を焚いている。豪華な別荘ではないが、目の前に清水(井戸)があって、いつでも冷たい清流の恩恵を受けることができる。夕暮れのそよ風と、鳥や蝉の声を聞きながら。
金持ちにならなくたって、昔の日本人は、みんなこの風流を味わい、感受していたのだった。
その後、夕立があり、土砂降りで囲炉裏部屋の煙り抜きから雨が吹き込むほどだった。しかし雨が止んだ後、囲炉裏部屋のドアを開け放つと庭から涼風が流れてくる。天然のクーラーである。私たちはいま改装後の夏を初めて味わっているのだが、井戸のある庭と、囲炉裏部屋の土間を一続きにしたのは大正解であった。
郊外がアスファルトとコンクリートで殺伐としているなら、街中にこのような瑞々しい場所を再生すればいいのである。