竹用の刃物


ぼちぼち包丁を研ごうかな・・・というときは、他のものを取り出してまとめていろいろ研いでしまう。今回はこれだけ研いだ。

右下は最近入手した土佐の小出刃(刃渡り10.5cm)でなかなか使い勝手がよい。主な包丁のサブ的な役割で果物ナイフのように使っている。土佐の出刃は両刃で臨機応変に使いやすい。刀鍛冶から派生した野鍛冶だから両刃なのだ、と聞いた。

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鉋やノミの刃も研ぎたかったのだが、それまでやったら一日がかりになるのでやめておいたw。粗砥、中砥と行って、仕上げ砥まで使うので、刃の部分が鏡のようにピカピカになる。一番右はフランスの登山ナイフ「オピネル」の初期バージョンだ。フォールディングナイフはずいぶん無くしたが、これだけはいまだ30年以上の付き合いだ。

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さて、この変なやつは? 竹用の刃物なのである。右の大きいのが「竹割り刀」、左の2つが「幅決め小刀」。森林ボランティア時代に、九州日南の鍛冶屋で購入したもの。いずれも竹細工の竹ごしらえ(ひご作り)に用いるもので、竹割り刀のつかはクサビ状になっており、ここを剥ぎに使う。幅決め小刀は木の台座に打ち付けて用いる。

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香川にかぎらず西日本には竹林が多い。いま東かがわの棚田と溜め池の活動場所で、荒廃竹林に困っているので竹が手に入る。少しづつ貰ってきては畑の支柱に使ったりしている。火吹き竹をもう一つ作った。

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竹の肌はほんとうにきれいだ。

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青竹は火にあぶって油抜きをする。

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じわ~っと油が浮いてくるので、それをボロ布でふく。すると、やがてきれいなクリーム色に落ち着く。

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このすばらしい竹の色の深み。硬質な表皮の雰囲気は、木材にはないものだ。

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竹割り刀はいったん丁寧 に研いだものを、砥石に刃を立てて縦に引き「刃止め」をしてから使う。 竹割りは繊維を裂くのが目的で繊維を切断しては ならないからである。鋭利でないほうが、作業上の危険も少ない。

人差し指ほどの太さの竹だっていろいろ作れる。先の刃物で半割にし、さらに半割に・・・と、必要な細さまで割っていく。

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さらに内側の柔らかいところを削っていくわけだが、このときは刃物を固定して、竹を引くようにして削る。

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おでんのときに銀杏を差す串を作ってみた。囲炉裏端であぐらをかいて、竹細工のまねごとをするのは冬の愉しみである。出た削りくずは囲炉裏で燃やしてしまえばいいのだから。

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来シーズンはいよいよ竹とじっくり対話したいと思っている。


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