スギ床と移動火鉢


新居に引っ越して初めての冬を迎えているが、無垢のスギ材は温かいということをしみじみ味わっている。スギは柔らかく傷つきやすい、また汚れやすいので床材には敬遠する建築家が多い。

ナラやサクラ、タモなどの広葉樹が王道であり、それを付き板でコストダウンを計る(つまり合板である)。あるいは無垢でも塗装して表面を覆ってしまので床は冷たい。現代住宅は西洋の模倣がベースにある。あちらは靴を履いたまま部屋を歩く文化である。

2階の床は30mmの無垢材だからその性能は言わずもがななのだが、ちょっと驚いたのは1階のフローリングの温かさである。

最初は1・2階全部屋に低温乾燥スギ(愛工房)30mmを張りたかったが、予算が合わずそれは2階の囲炉裏暖炉があるワンフロアーだけ。あとは高温乾燥の30mm、そして1階は15mmの厚みで我慢した。

その場合、一般には下地に合板を用い、その上に15mmを張るのだが、この家では合板を避け12mmのスギ野地板を使ったのである。

これが温かいのだ。

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15mmのスギは高温乾燥材、しかも節ありの最も廉価なもの。

この裏には12mmのスギ荒板↓(写真は2014/12/10)。結局、一階の床は12+15=27mmのスギ板になっていて、接合はクギだけでなく接着剤も使っているので合板といえば合板なのだが、フローリング材の裏には反り防止の溝があるから微妙に空気層もあったりする。

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というわけで、私はこの家でスリッパをほとんど履かないで暮らしている。夜、素足でトイレに行くときでさえ冷たさを感じない。

ただしこの家は南側に山があるので、家への日の入りが遅く、2階の朝は寒い。そこで火鉢で炭を焚く。

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ちょっと食べ物をあぶってみたり、お湯をかけたり。

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このブロック壁が海側の囲炉裏暖炉の石壁と対になっていて面白い。

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こうして9時半頃にようやく日が射すのでyuiさんは陽の当たる自分の机に移動して用事をするのだが、私の机は北側なのでやはり寒い。登山用ナイロンシュラフに下半身を入れ、背後に火鉢を移動して仕事をする。

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これが、背中がほんわり温かくていいのだが、あまり気持ちいいと仕事がはかどらないので、やがて自然に消えてくれる炭火はまことに具合がいいw。

というわけで天気のいい昼間は囲炉裏暖炉をあまり焚かないのでした(夜は必ず焚くw)。


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