さてお待ちかね、9日に仕込んだ(こちら)「麦どぶろく」のレポートをお届けする。日中は暖かい縁側に、食事どきは囲炉裏ばたに(下写真)、夜はこたつのわきに、といたわってきたどぶ様であるが、最初の3~4日ほとんど発酵が始まらず、匂いもちょっとすえたにおいでかなり心配になったが、5日目くらいから炭酸が発砲し始めて、フルーティなアルコール臭がやってきてホッとする。
さてコレは?
スギ材で作った撹拌用のヘラである(杜氏さんですね)。
6日目くらいから発砲が本格化。瓶に耳を当てると「シュワ~」と音が聞こえる。
矢印がその気泡である。
そして本日13日目、いよいよ初絞り。わがアトリエ産の小麦による神酒であるから厳かに・・・。
麦のつぶつぶが残っている。お玉で金網ざるに開けて上から押さえます。
飲んでみると、味は濃厚複雑微妙で「魔味」かと思われた。が、2杯目から旨く感じられるようになる。ヨーグルトのような酸味と香りがあるが、その味わいは決して悪いものではない。
いや、これは酒というよりもかなり密度の濃い健康飲料というべきだろうか。数杯飲み干した後、市販の純米酒を飲んでみたら、こちらは甘みが引いてむしろ苦く感じられた。アルコール度は市販の酒ほどはないようだ。
僕らの祖先はずっと長い間(おそらく数千年前の縄文の昔から)どぶろく、すなわち濁り酒を飲んできたのであり、精製純度の高い酒(透明でしかも火入れしてある)が飲まれ始めたのはごく最近にすぎない。平安の世も、戦国の世も、囲炉裏端ででは穀類から作られたどぶろくが酌み交わされてきたのであろう。
囲炉裏で飲むとまた旨い。そして、漬け物のような発酵食品がまた、どぶろくにはすごくよく合うのだ。
なぜかその晩は布団の中で身体がぽかぽかと暖かい。ともあれ、麦についている自然の酵母菌だけで(一般にはドライイーストと砂糖を入れる)もどぶろくができることがわかった。
翌日はこのように分離していた。火入れしていないので酵母がまだ生きているから、栓をあけるときプシュと炭酸が出る。生き物だから、数日で味も変わっていくのです。
初めの頃のどぶろく・酵母菌の原理(過去の日記)。