屋久島紀行16.(宮之浦岳〜花之江河〜淀川小屋)


暗いうちから起きだして、日の出前に出発する。前夜、星が出ていた。天気は晴れ。僕らは勇躍、屋久島最高峰への縦走へと出発した。

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苦しい登り。次々に現れる巨木、奇樹。背丈は低いが樹齢は数百年以上のものが多いのだろう。

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雪が現れる。新高塚小屋前。

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森林限界を越えると、ササと岩の世界。ようやく宮之浦岳が見えた。

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永田岳方面。

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あたかも巨人が花崗岩の丸岩をばらまいたかのような庭園風の光景。中腹の巨木群、海岸線の亜熱帯植物群からは想像もつかない世界が屋久島の上部にはある。山頂は気候でいうと北海道の札幌くらい。屋久島の垂直分布は日本列島の縮図といわれる。

縦走中にすれちがったグループに撮ってもらった1枚。シャクナゲの枝が落ちていたのをステッキに使った。

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11時ちょうど、宮之浦岳1936m山頂。最後の登りが雪で手こずった。屋久島のルートはかなり丁寧に木道(木の階段等)が付けられているが、それが雪で隠れているところがたくさんある。踏み外すと、膝まで雪に潜ってしまうのだった。

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シャクナゲのつぼみ。上部にはかなり多く分布している。開花期は壮観であろう。

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雪解けが笹原を流れる。それが屋久島の渓谷の源頭になっている。その雫の一滴をみた。上信越や東北の高山そっくりの光景。

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その下部にはビャクシン、ヤクスギが。

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雪解け水がつくった淵。

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花之江河と呼ばれる高層湿原。日本最南の「尾瀬」。シカをみかけた。

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切り株から着生した樹木がいっぱい。

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蘚苔(せんたい)類や粘菌も豊富。

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枯れ木からシャクナゲが生えています。凄い(あ、また言ってしまった)。

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ヒメシャラの瘤からコケがつき、着生した木が生えている。

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やや下にある小花之江河。白骨樹が現代彫刻のように。

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交尾中? のカエルを驚かしてしまった。美しい色彩にみとれる。

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淀川。屋久島にしてはなだらかなチョークストリーム風。なんと美しい水の色なのだろうか。橋にたたずんで思わずため息が漏れる。

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二泊目、淀川小屋はかなり大きなログ風の小屋。泊まりは他に3人。意外にも泊まりのトレッカーは少ない。なにしろ3月の屋久島縦走はハードなスペシャリストの世界。この季節はときに降雪もあり、遭難もおきている。天気に恵まれた僕らは、幸運中の幸運であった。ここまで来れば安心。まずはコーヒーブレイク。

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そしてそば粉のパンケーキをつくる。水で粉を溶いて、

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オリーブオイルで両面を焼いて、

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こんな感じで完成。なにもつけなくても美味い。

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厚みはこれくらい。食べごたえがあり、栄養豊富、腹もちもいいのです。

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そして黒豆の煎ったものが行動食。

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いずれも自然農の農園取材でいただいたもの。おかげで元気よく縦走できました。


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