大豆を収穫する。よく実が入っている。倒れたのを杭で立て直したかいがあった。今年は味噌が作れるかな。
さて石垣現場へ。
裏込め石を運ぶのに、プラスティックの箕(み)は便利なものだ(箕は本来は種と殻を選り分ける道具だが)。昔は板で箱状のものを作り、それで小石を運んでいたようだ。竹網みではさすがにたわんでしまうから。
それにしても大量の裏込めはなぜ必要なのだろうか? 第一に石の固定のためである。積んだ石の裏が土の場合、土が動けば石もぐらついてしまう。ここにワンクション小石が挟んであれば、石垣表面の石は動きにくい。
さらに最も重要な理由は、排水が容易になるからである。石垣を崩すのは、多くは水を吸った土の重みなのだ。だからスカスカに空間があったほうが、浸透した雨水は排水しやすい。というわけで裏込め石の中に土をかぶせてはいけない。
いま中間の高さまで積んだところで、石の控え(奥行き)は30~40cm。裏込め石は同じくらい入っている。
3点で石を固定、というのはなかなか説明しにくいし、実際に積んでみて初めて実感できるかもしれない。下写真、A石の下に小石を挟んだのは、丸で囲んだ部分が届かず、どうしても2点になってしまうから。接触している石は2つでなく3つが望ましい。そして本当は、小石に頼らないほうがいい。この接点はツラの表面にあるだけでなく、やや内奥になる場合もある。石をねじることで3点を得る、ということもよくある。
不定形の野石は、面ですりあわせることは難しい。どうしても点でくっつくことになる。だから空間ができて排水には強いが、美しく安定して組むことはとても難しい。できるだけ平面のツラを見せたいが、だからといって力学を無視すればかならず崩れてしまう。
1)石はツラ(表面)より控え(奥行き)を長くとって積む
2)石は奥が下がっていること
3)石は3点(3つの石)でしっかり固定されていること(2点であっても奥に挟み込んだカイ石で3点を得ることができるので例外はある)
この三つを守った上で、なおかつツラが美しく揃っているのがよいわけだ。いや、それだけではなく、積み方にも注意が必要なのだ。常に互いの石がかみ合うように、うまく傾けながら積むのである。垂直もよくないし平ら積みもよくない。また二つの石が団子のように固まって収まるのもよくない。
高くなって後ろの空きが大きくなってきたので、裏込め石と壁の間に土を入れることにした。