アトリエの家の壁が倒壊して、イタルさん宅の台所のガラス窓を1枚割ってしまった。西側の壁はイタルさんちの台所に接近しており、その幅は1mもないほどなのだが、土壁の痛みが激しく「いよいよ補修せねば・・・」と思っていたところであった。スイマセン!
その壁は構造からいうと外屋(げや)で、いわば本体の軸組から飛び出した部分で、家の内部からはアクセスできない空間であった。前住人の方が壁でふさいでしまっていたのだ。しかし、そこにはタンスが眠っていたのだった。土台が腐ってそのタンスが壁側に傾き、このところの乾燥晴天続きで貫が縮んだのであろう。それで土壁全体が一枚分はがれて倒れたのだった。
イタルさんは「何か音がしたので地震でもあったか?」というほどであったという。私たちは全然気づかなかったので、外に出ているときだったのだろう。とにかくイタルさんに平謝りして、土壁を崩して撤去する。土壁は厚板の貫(スギ製)と竹の小舞を芯にしている。土は再利用できるので残さず土嚢袋に入れて撤収した。作業は2~3時間ほどかかった。
さて小舞の竹であるが、創成当時からすでに100年経っているにもかかわらず、中の竹は折ろうとしてもポキンと折れないものがかなりある。繊維がまだ生きているのである。驚いた。
その廃材竹を燃やして風呂を焚いた。壁を壊しても土は新たな壁に再生する素材に利用でき、中の竹は燃料になる。すばらしいぞ土壁!
というわけで、山火事が多い昨今、火の取り扱いには十分ご注意ください。