翌日、餅つき当日はよく冷えた。初氷だ。
カマドをレイアウトしてから石臼台に取りかかる。カマドは「ちびカマ」の他にブロックで簡易カマドを作る。
さて、材料は建築残材から3.5寸角と45mm厚の角材の端切れを組み合わせ井桁の下に挟み込みながら、徐々に高くしていこうという作戦。
バールをテコにして使えば10cm程度の挟み込みは簡単にできる。
さらに材を重ねて一カ所ずつ上げていくが・・・
途中でカージャッキを使うことを思いついて簡単に高さを稼げた。
高さが揃ったら振動でズレないように、インパクトドライバーで長ビスを斜め打ちして材同士を固める。完成だ♫
yuiさんはカマドに着火して湯沸かしと餅米蒸かしの準備。
群馬の山暮らしで活躍した鉄瓶と吊り鍋、そして自家製の木蓋が再び活躍するときが来た。長かったな・・・
ヒノキの丸太イスを脚にした簡易テーブルをレイアウトして。下屋の前でこんな感じで餅つきを開始した。
石臼は前もって中に熱湯を満たし、時間をかけて十分温度を上げておかねばならない。餅つきも群馬を離れて4年ぶり。しかし身体は覚えているものだ。石臼とヒノキの杵とのバランンスを確かめながら搗き上げ、それを持ってyuiさんが下屋の中にしつらえた簡易台の元に走る。
2臼目を搗き始めようというとき夜の宴会仲間が到着。鬼おろしダイコンと納豆で搗きたての餅を食べてもらう。讃岐では搗きたての餅をちぎってその場で食べるという習慣はないそうで、もちろん納豆などと組み合わせはしない。メンバ―の皆は初体験だが、美味しい!と口を揃えて完食。
ちょっと高過ぎたのでビスを抜いて1段下げてみた。これでピッタリだった。石臼は意外に搗きやすい。練り(コネ)も早いし、搗き過ぎないように注意するほどだった。
白餅を2臼、エビ餅とヨモギ餅を1臼づつ搗いて完了。私は途中で囲炉裏暖炉を焚いて仲間との宴会のセッティングをする。
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宴会メンバーはこの家を建ててくれた工務店の社長(大学の後輩)、同じくこの家に関わってくれた電気屋さんの社長、そしてその奥様にして工務店の設計士、それにyuiさん私の5人が、6角囲炉裏を囲む。
魚介を持ち込んでくれたので囲炉裏の燠炭で焼いてみる。殻つき牡蠣はいったん貝柱を外して開き、殻のかけらが残らないように中を洗ってからもう一度フタをして網に載せたほうが、汁をこぼしにくい。右の小フライパンは瀬戸内タコのアヒージョだ。これにyuiさん自家製のニンジン入りチャパティ(台所のガスグリルで焼いたもの)で残ったオリーブオイルをさらって食べる。
デベラも買ってきてくれた。私これ大好きなんだよね♫
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宴会は深夜まで続いた。
私は薪の燃やし方をいろいろ見せたり、燠炭の効果的な使い方をやって見せたりした。
また、炎を美しく見せる演出、ダウンライトを絞ってみたり、その明かりを消してフロアーライトだけにして音楽をかけ、囲炉裏暖炉の光と空間と音の美しさを感じてもらった。
この日のために残しておいたスペシャル薪(十分乾燥させたサクラ薪)などを入れながら延々7時間ほと焚き続けたが、その間、煙が室内に漏れることはほとんど無かった。
工務店のメンバーはあらためて囲炉裏暖炉の性能に目を見張り、感動してくれたようだった。
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〆は、私が途中で台所に立って仕上げたインド風カレーを、かまどさんで炊いたお米で食べてもらった。
ここでは最新仕様の台所が同じフロアーにあるので、流しやガスレンジと囲炉裏が連動し、より洗練された豊かな食事が愉しめる。畑に食材を取りにいくことさえできるのだから最高である。
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来年は新著の発刊と共に、さらにパワーアップしていくのでお楽しみに!!!