引き戸はいる


「鴨居(かもい)」を取り付ける。2枚の引き戸は解体現場から貰ってきたガラス戸なのだが、ぴたっと収まるように、鴨居の位置を正確に取り付けねばならない。これが、実に難しい作業なのだ。なぜなら前後左右上下、3次元の全部の座標軸がぴたっと合わないと、戸がはまらなかったり、動かなかったり、外れてしまったりするからだ。

まずは鉋がけである。この鴨居材はもともとこの壁を構成していた戸棚のもの。おそらく北米の原生林から伐り出した材であろう。年輪が密でまっすぐだ。

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ニスが塗ってあったので一皮削って無垢材に戻す。美しい木目が現れた。木は腐りがなければこのように何度でも使い回しができる。

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正確に寸法を測ってノミで柱に鴨居がはまる溝を掘り出していく。切り欠きの深さは左右それぞれ1cm。もちろん鴨居もその寸法できっちりはまる寸法に切っておく。

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1回目、高さをまちがえた。細木をクギで止めて高さ調整する。

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ところが、これでも高さが足りなくて戸がぎりぎりの高さで入らない。そこでまた木を足して高さをかさ上げし、溝の天端を欠いていく。矢印は添え木を止めたクギの位置。これで鴨居を押し込むが、戸がわずかに手前に寝ていたので、いちど鴨居を抜いて溝に奧5mmほど削りを入れると・・・

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ようやくぴったり戸が収まった。念願の土間と裏庭通行がこれで可能になった。

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実は柱も傾いているし、戸もゆがみがあったのだ。だから正確にとりつけるのは難しく、よろこびもひとしおなのだった。

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この後、ネジ式の錠を付けます。

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