先日、骨董市で買ったチョウナを使ってみることにした。いったん刃を外して研ぎ、クサビもカシ材で作りなおして刃を入れる。柄はエンジュの曲げ材という特殊なものである。
囲炉裏部屋の床材としてストックしておいた割り材の背中がまだカマボコのままだったのでそれを削ることにした。まずは股をひらいて大振りに削る。後ろに薪割り台の止めを置いている。
チョウナは自分に向かって刃を振るので危険な道具ではあるが、このやりかたならまずケガはあるまい。ただしこの方法は足で押さえていないので打つたび材が動いてしまう。
切り口はこんな感じになる。片手振りのヨキでのはつりでは水平がとりにくいが、チョウナはただ振り下ろすだけで水平がとれる。しかも手・腕への衝撃が少ない。柄のバウンド感がなかなか良い。刃が突き刺さってしまったら手首で柄を縦にこじると長い破片を引き裂くことができる。
続いて細かく連打していく方法。足に流れる危険があるので慣れるまでは指を上げてかかとで押さえるといいかも。
一打目を刺しに、二打目をバリ取りに、といリズムで進んでいく。真っすぐ進むのではなく左右からせめて行くとヘリンボーン(杉綾)形に削れる。
これがチョウナの真骨頂であり、日本建築ではこの材の模様を「なぐり仕上げ」として珍重するのである。ただし針葉樹ではかなりバリが残る(下手なだけか?)。
安全のために割り竹ですね当てを作ってみたんだけど、押さえの右足はつま先には来そうだけどすねまでは飛ばない。むしろヘリンボーンのとき流れた刃先が左すねまで流れそうになることがあるが、これも杞憂だった。しかし柄は私にはちと短いのか腰が痛くなった。そして左手にマメができた。
チョウナよ、強力な相棒よ、これからもよろしく!