鏡開きとスギ材


がぶりと噛んだ焼きもちの断面。表面のカリカリ部が分厚いのがわかるだろうか。これをお雑煮に入れると表面が「しみせん」状態になって美味い。

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前日、小豆の鍋を囲炉裏の仕舞いにかけておいた。鏡開きなのでお供えの丸餅を手で割ってワタシで焼き、薄甘味の小豆汁をかけて食べる。

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今日は客人が3組。みな囲炉裏に当たっていった。囲炉裏部屋改装中。その合間を縫って床貼りの続き。通路側がついに塞がり、あとは囲炉裏の木枠の1辺分を残すのみとなった。暗くなったので耳のカットは明日。

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接合部のモザイク模様。ここは複雑になってもいいように(ビス打ちの範囲が広がるように)根太を密集して追加しておいたのだった。

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自然乾燥のスギは、なんともいい色つやだ。そして温かいのだ。スギは世界で最も木目が美しい木材と言われる。上の写真はフラッシュをたいて、下の写真はフラッシュなしで撮ったものである。表面がつややかに光り輝いているのはスギが本来持っている油性分が反射しているからだ。

ところが、人工乾燥(高温蒸気乾燥)材はパサパサした感じで色・つや・香りはほとんどない。それは木材成分の2~3割を占めるリグニン成分が抜け切っているから、という。リグニンは網状高分子化合物で植物の強化に役立つ筋肉のような物質である。それが、高温蒸気乾燥すると・・・

「小口(木の断面部分)から水分は沸騰し泡を吹いて噴出する。このときリグニン成分も相当失われる。乾燥室の床や壁がこの”嘔吐物”でヌルヌルする」。(船瀬俊介著『奇跡の杉』P.63~4)

人工乾燥の杉は本物とは似て非なるものだが、それでも今様の合板フローリング材よりはましだろう。

鏡餅は今回のスギ床材の切れ端を台にして、床の間に飾っていた。餅の美味さには、スギのパワーも一役買っていたのかもしれない。


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