桐生の家の周辺ではまだはっきりとクマ棚を確認できていないので、午後からちょと当てのある山に向かってみる。ここは以前取材でずいぶん通った自然度の濃厚なところだ。
家の近所にも広葉樹林はあるのだがクマ棚は発見できず、某県道を北上すると助手席のyuiさんがついにクマ棚発見!
道沿いの谷川斜面に数カ所。道の山側にもある。ということは、クマは車道を横断しているのだろう。
さらに進むと、どひゃ~~。
集落がある脇道に入ってみると、クマ棚だらけだった。
車を止めて対岸のクマ棚オンパレードを撮影しつつ、ふと振り返ると、なんと止めた車のすぐ上にもクマ棚(笑)。ちょっと棚が薄いのは、枝が下に落ちているのだった。群馬は風が強いからな・・・。
木の生え際まで登って、落ち枝や爪痕を確認。
かじった歯の痕がある落ち枝。
ツメあと。
これは下りるとき滑った後ろ足のものだろう。
この谷は手前にも対岸にもおびただしい数のクマ棚が発見できた。この奥にも道は続くのだが、戻ってもうちょっと北に進んでみることにする。
途中にある集落。山の上にクマ棚が多数みられる。近くには学校もある。
さらに県道を進むとあるある、アスファルトの車道の、道端ですぞ! 電信柱や送電線のすぐ近く。
確認のため木の根もとまで行ってツメあとをチェック。
樹種はコナラのようだ。
また発見。ときおり車が走る2車線の県道。
ひゃーすごいですねぇ。クマたちは昼間に眼下の車を眺めながらもしゃもしゃ食べていたんでしょうか?
さらに進むと道端にクリ林があり、そこに多数のクマ棚が。
小さい棚だったので小熊かな? と思いつつ、三たび長靴に履き替えて幹の根元まで行ってみる。
ツメあと確認。木にこれだけのツメあとを残すのは日本ではクマしかいない、とgakuさんに教わったので心強い。
落ち枝があった。
風や雪ではこのような折れ方はしない。クマが齧りながらむしり取った痕である。
夕刻、用事があるので引き返すことにした。帰り道では視点が変わるので見過ごしていたクマ棚も発見できる。
隣にヤドリギがある面白いクマ棚。木にかかっているのは他に鳥の巣やヤドリギがあるが、慣れればクマ棚とのちがいはすぐ解る。
クマはぎで枯れたヒノキ林もみつけた。
今日だけで100個以上のクマ棚を発見した。昨年、周辺ではリンゴ農家のクマ被害もあったし、襲われる事故もあった。いったいどれほどのクマがいるのだろうか?
コナラ、ミズナラ、クヌギ、オニグルミなどがクマ棚できる木だ。拡大造林時にスギ・ヒノキ・カラマツ化を逃れた薪炭林を持っている山村集落が、狙い目だ。たとえば温泉地などは、お客のために大量の薪を使うので、古くからコナラ、ミズナラ、クヌギ等の純林を管理していることが多い。奥山が人工林化された場合、クマは山間部で放棄された薪炭林に来るのは当然の流れだ。
皆さんもぜひ周囲の山を眺めてもらいたい。今年の春までがクマ棚を発見できる最大のチャンスなのだから。
明日は集落支援員で神流に行くので、また探してみよう。
コメント