3/15に桐生を出て四国高松のyuiさん実家の一室を借り、ネットを引かせてもらって新著を仕上げ、その他連載イラスト原稿や飛び込みの原稿を仕上げつつ、ソーシャルメディアで原発の放射能汚染のニュースを追い続け、新著の発行を待ちながら桐生へ帰る時期を考えていた。
4月になって借家を管理している不動産屋さんから「契約更新時に土地と家屋の購入を検討してほしい」という電話が入った。5月で借家の2年契約が切れるのだが、次回更新時に購入という条件になり、資金のめどの立たない私たちは引っ越しを考えざるを得なくなった。
(※初回契約時から「将来は土地家屋を購入するという方向で」と提示されていたのですが、私たちはあまり意識していなかった。前回の文面では誤解を招く表現であったことを謝罪いたします)。
『ドゥーパ!』の連載を早めにアップして、突然やってきた『ビーパル』の仕事を書き上げた後、5月19日に私たちは引っ越しのために群馬へ戻る旅に出た。
高松の目抜き通りにあるクスノキははや花が咲き香しい匂いを放っている。
いつものようにフェリーで出発。
屋島をあとに、双眼鏡で島々の植生などを観察しながら本土へ。
下道を車中泊2回。3日で群馬で戻った。
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さて荷物の整理だ。そして友人たちや周囲のお世話になっている人たちへのお別れ告知。まあこれがいろいろ大変だった。
が、荷物整理に関しては友人たちをはじめ次々に助っ人が現れて、驚くほど短期間で片付いた。ライブや個展でお世話になった桐生のガーデンカフェFezのマスターが、今シーズンからちょうど薪ストーブ設置を考えていたとかで一式をそっくり、薪ごと持っていってくれた。それから臼も。苦労して造ったこれらがFezさんで永く皆と使っていただけるならこちらも嬉しい。
トラさんから貰った太いスギの根元丸太は、足利で「自然学校」を開設するSさんが持っていった。それだけでなくSさんは掃除のプロの関係者をお連れになり、不要なものをほとんどすべて引き取ってくださった。私たちも四国行きゆえ極限まで荷物を減らしたいのでこれが大助かりであった。
途中で友人たちが桐生市内で送別会を開いてくれた。飲んで飲んで飲まされて、飲んだ。
コペンともお別れ。中古車として売却することにした。
さようならコペン。
コペンのボディを拭いているとカゲロウがやってきた。そういえば桐生川でフライをする夢も頓挫してしまったな・・・。
畑の整理は地区の組長さんが刈り払い機で加勢してくれた。夜に太田のIさんご夫妻(ライブのプロデュースなどでお世話になった)がお見えになったので、絵を1枚差し上げた。この絵は2003年に高松で個展をしたときにの作品だ。『日輪の蓮』というタイトルで香川の山と夕暮れの溜池の蓮をモチーフにしてある。
巣穴から出る眠そうなタマリン。
開きつつある蓮の花を眺めるドングリくん。
これは2対の作品でもう一点は『月光の亀』というタイトルで青い月夜の溜池の亀をモチーフにしてあり、高松在住の友人が個展当時に購入してくれた。
だから『日輪の蓮』は群馬に置いておきたかったので、これでよかった。
そして新著の制作費が入ったので、予約してあった石井一臣氏作の新田義貞の切り絵を購入した。
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今回の引っ越しではかなりの物を捨てた。家具類はほとんど処分。それでも作品や資料の書籍類は残し、カマド類や箱火鉢、囲炉裏道具はもちろん持参。
段ボールの荷物を宅急便で送り、残りをアクティに満載して、桐生を立ったのは5月27日のことだった。
私たちは高松に定住することにしたのである。別れは次なるステージの始まり。