宮崎学『イマドキの野生動物』を読む


日本の林業と森林を追い続けているうちに、生まれてくる数々の疑問、それをひも解きながら私はこれまで人工林の間伐技や作業道の開設技術書などを書いてきた。そしてその根底に流れる日本の森・自然の本質と現代の森林像、新たな林業への提案を、昨年『「植えない」森づくり』に著した。

人工林の荒廃と間伐の重要性はようやく一般にも周知されたようだ。しかし誤解してもらっては困るが日本の森全体が荒廃に向かっているわけでは決してない。自然林を皆伐しても日本では放置するだけで再生が始まる。一時的に保水力は落ちるが萌芽枝や灌木や陽樹が自然発生し、最初は過密なヤブ状態でもやがて淘汰がおきて森として自立していく。

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