移植して2年目のニラ。新芽がどんどん伸びる。少し摘んでみそ汁に入れる。
柔らかい。だけでなくほのかに甘い。清らかでコクがある。去年まではそれほど美味しいと思えなかったが、明らかに味が変わったのだ。ここはシラカシの落ち葉とドングリが大量に落ち、自然堆肥化する所。そして台所に近いせいもあって、木灰をたまにまいている。以前にもハツカダイコンの味で気づきをもらった所。
いま菜の花とカンゾウ、ノビル、クレソン、セリ、ミツバは敷地にいくらでもあり、清浄な土ゆえ気兼ねなくいくらでも摘んで食べられる。さっと茹でて酢醤油や辛子や胡麻で和えて様々な食べ方ができる。囲炉裏ではいつも湯が沸いているので、料理も苦にならない。これにタクアンの1本も樽から出し、ご飯とみそ汁があればもう何もいらない。
店屋物に似た家庭料理もいいけれど、NHK『今日の料理』や丸元レシピに頼らない、こんな暮らしも悪くない。なにせお金がかからないし、スーパーで販売されている野菜に比べて、ぎゅっと詰まったパワフルさを舌と身体が感じる。
怖いのは温暖化ではなく、土・水・そこに棲む動植物の分解能力を超えた化学汚染ではないだろうか。問題はその土地の野草を清浄に食べられるか否か?