昨年8月に取材した群馬県松井田の田辺林道施業のその後を見てきた。2日間の田辺さんらの施業を引き継いで、地元の作業班が道を延ばしていた。田辺林道の大きな特徴の一つは、盛土に表土をブロック積みして自然植生を促し、法面の崩壊を防ぐことである。
8月に施業したということは、その植生回復には時期的に不利なのであるが、崩壊はまったく見られない。盛土の基礎とも言うべき「床掘り」とその転圧、さらに表土を地山と交互に積むことによる転圧効果によって、植生回復によらずとも強固な盛土法面ができている証しのように思われた。もちろん、根株を埋め込む効果、アンカーを使った丸太による法面の土留めも見逃せない。
その作業道を入れた後で、間伐材を出した跡があり、結果的に強度間伐を施した山に変わっていた。数年ですばらしい山に回復するだろう。と、ここまではいいのだが、僕らが目にし、気になって仕方がないのは、その伐採残滓の山であった。