遠雷


水路の梅の実が黄色く色づいて落ち始めていた。なかには茶色くなって中身が完熟し、とろとろの甘柿状態になっているものもあり、手にしてみると爽やかな発酵臭がある。中身をちょっとなめてみると、酸っぱくてなかなか美味しい。「これはこのままジャムになる!」と思った。昨年の晩秋に敷地の柿を、その熟したものを食べた。高価なブルーベリージャムの一瓶よりもそのカキの1個のほうが量が多かった。これはほとんど自然のジャム?

山村ではカキや梅などかつての果樹が利用されないまま放置されている。さっそくネットで梅ジャムの作り方を調べてみる。ようするに熟した実から果肉だけ取り出して砂糖で煮ればいいだけだ(何と簡単!)。ジャムというのはもともと食べきれない果実の保存法なのだろう。小鍋に一杯分の梅を拾ってきて、水で洗ってから皮を剥き、竹べらで果肉をこそげとる。種の周りのぬるぬるは取りにくいが、最後に何個か手のひらに入れてぎゅっと搾るようにするとけっこうとれる。鍋で煮るとなんともいい香り。水路1mに落ちていた分で、採取からジャム完成まで2時間もかかってない。

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