遠雷


水路の梅の実が黄色く色づいて落ち始めていた。なかには茶色くなって中身が完熟し、とろとろの甘柿状態になっているものもあり、手にしてみると爽やかな発酵臭がある。中身をちょっとなめてみると、酸っぱくてなかなか美味しい。「これはこのままジャムになる!」と思った。昨年の晩秋に敷地の柿を、その熟したものを食べた。高価なブルーベリージャムの一瓶よりもそのカキの1個のほうが量が多かった。これはほとんど自然のジャム?

山村ではカキや梅などかつての果樹が利用されないまま放置されている。さっそくネットで梅ジャムの作り方を調べてみる。ようするに熟した実から果肉だけ取り出して砂糖で煮ればいいだけだ(何と簡単!)。ジャムというのはもともと食べきれない果実の保存法なのだろう。小鍋に一杯分の梅を拾ってきて、水で洗ってから皮を剥き、竹べらで果肉をこそげとる。種の周りのぬるぬるは取りにくいが、最後に何個か手のひらに入れてぎゅっと搾るようにするとけっこうとれる。鍋で煮るとなんともいい香り。水路1mに落ちていた分で、採取からジャム完成まで2時間もかかってない。

middle_1121546485  middle_1121546508

middle_1121546534

“遠雷” の続きを読む


レー モンド


またまた締め切りぎりぎりで連載をアップ。僕も大変だが、こんなスレスレの綱渡りに慣れない相方も胃が痛くなって大変らしい。鬼石のヤマト便の朝イチの便でデータCDを発送し、その足で図書館へ。予約していた建築家レーモンドの特集号の『上州風』をゲット。さっそく写真にある軽井沢の「夏の家」を見に行くことにする。藤岡から高速に乗ると軽井沢はちょいの間で着く。

middle_1121281960 middle_1121281984

“レー モンド” の続きを読む


高崎哲学堂


近所に住む篤林家のKさんの山を見に行き、帰りに線香林の雪折れなどを見学して、にゃん太郎君とS子さんを本庄駅まで送る。その足で高崎へ出て、駅近くの旧井上邸「高崎哲学堂」を見にいく。コンクリート打ちっぱなしの「高崎市立美術館」の裏手に大きなケヤキの木立と高い塀に擁された一角があり、土日のみ無料で見学できるようになっている。

middle_1121036702 middle_1121036726

“高崎哲学堂” の続きを読む


達磨寺


昨年からけっこうな回数を高崎方面に通いながら、かの高崎ダルマ発祥の地、達磨寺は通過してばっか。で、ブルーノ・タウトの滞在を知った僕らは、今日はじめて参詣してきた。達磨寺の縁起がまた水戸光圀公に関係していたりして(僕は水戸生まれ水戸育ち)ちょっと驚いた。立派な山門をくぐって石段を上がると、鐘撞き堂が上にあり、その撞き棒はシュロの丸太が使われている。本殿の右にある観音堂は茅葺きですてきだった。中の金色の観音様はライトアップされその穏やかな顔を拝める。本殿の左にはミニ達磨博物館ともいうべき達磨堂があって、全国の達磨玩具などが展示されていて面白かった。むろん香川の金比羅一刀彫の達磨(マツ材)もあった。

middle_1120743670

“達磨寺” の続きを読む


コルビュジエ


図書館で借りた『知られざるル・コルビュジエを求めて』(佐々木宏著、王国社/2005.5)という本を読んでいたら、コルビュジエの石積みと木骨構造の住宅設計のひとつ、エラスリス邸の図面が気になった。建築家として出発した10代後半の頃、コルビュジエは生まれ故郷のスイスで何件かの木造建築を手がけているが、このエラスリス邸は40代の設計だ。白い箱、いわゆるインターナショナル・スタイルとして世界中に影響を与えた後の住宅建築で、自然素材を荒々しく使うという新しい路線を打ち出したものである。

ところがそのアイデアが模倣されて、なんと日本の軽井沢に「夏の家」なるタイトルで建てられているのである。その建築家はアントニン・レーモンドといい、帝国ホテルを設計した巨匠フランク・ロイド・ライトの現場管理のために日本に来ていたチェコ生まれの建築家で、「夏の家」は彼自身の日本滞在時の別荘として建てられたのだった。

“コルビュジエ” の続きを読む