木の机


昨日購入した調理道具でさっそくホットサンドを作ってみる。中にセリやクレソンを入れる。畑にインゲンとチンゲンサイを蒔いた。

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次号『現代農業』の連載で民家のことを書くことになりそうで、午後は調べものに藤岡の図書館へ。借りているアトリエの古民家はおよそ築百年。切り妻屋根の細長い2階建て。2階の大スペースは養蚕やコンニャクの乾燥に使われていた。蚕の調温のために火を焚く囲炉裏が2階にもあり、通風のための工夫がみられる。幕末から明治にかけて、養蚕は国家的一大産業であり、なかでも群馬県の北・西部は養蚕の盛んなところで、辺りの現存する古民家はみな同じような形をしている。

調べているうちに、蚕の優れた飼育法である「清温育」というものに突き当たった。この方法を開発普及したのが藤岡生まれの高山長五郎という人物で、「高山社」という養蚕技術の普及学校も藤岡に作られ、全国から青少年が押し寄せたという。明治維新の開国で、横浜港から世界に向けて生糸が輸出され、富岡に国営の製糸工場が作られた時代であった。中里村(現・神流町)にも良い繭を作る人がいて、英国人が視察に訪れたという。ここ、神流川流域は、養蚕においても重要なところなのだ。

さらに調べようと「群馬県立日本絹の里」に回ろうと思っていたのだがすでに4時、閉館が迫っている。高崎に車を走らせ「高崎市歴史民俗資料館」を見に行った。大量の民具と農具が保管展示されている。中でも感動させられたのは昔の学校で使われていた木製の机と椅子。質素だが、温もりがあり、なんと優しく美しい・・・。ここには構造美がきちんと走っている。裏山のスギ材、地元の職人が作ったのであろう。数十万円もする精度の高い木工品は確かにすばらしいが、誰もがそんなものを買えるわけではない。だけど山には木が溢れているのだ。この机と椅子に答えがある。今こそここに戻るべきなのだ。

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その後、群馬を代表するトンコツラーメン有名店の「だるま大使」に行く。6時開店。へんぴなところにあるのにすでに満席。本場直送の博多麺の替え玉でこってりラーメンを堪能。次回、娘たちが泊りに来たらここに連れていってあげよう。帰りに藤岡「金井の湯」で日帰り温泉を楽しむ。化石海水とうたわれるナトリウム泉。これまたへんぴなところにあるんだけど、駐車場は満杯で賑わっている。きれいな建物だし露天風呂では清流のカジカガエルの鳴き声が聞こえてきた。庶民は良き場所を峻別するのだ。真っ当な仕事は時代を抜きに栄える・・・というべきか。


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