そろそろ餅にカビが来始めた。雑煮も仕舞いだいね。
雑煮に飽きたらカレーでしょw。鶏のひき肉があったので今日は朝からカレーづくり。囲炉裏でタマネギを炒めてひき肉とジャガイモとニンジンとスパイスを放り込み、アク取りを終えたら薪ストーブへ。
囲炉裏暖炉のある家 tortoise+lotus studio
イラストレーター・著作家、大内正伸のブログ
そろそろ餅にカビが来始めた。雑煮も仕舞いだいね。
雑煮に飽きたらカレーでしょw。鶏のひき肉があったので今日は朝からカレーづくり。囲炉裏でタマネギを炒めてひき肉とジャガイモとニンジンとスパイスを放り込み、アク取りを終えたら薪ストーブへ。
ツイッターにもつぶやいたけど、今日はものすごい晴天で、梅雨の晴れ間なので洗濯したり布団を干したり大忙しであった。
畑に出てジャガイモを少し掘り、開花したカモミールの花を摘む。
夜、友人来るので、そのジャガイモでカレーを作る。いつものようにまずはたっぷり大量タマネギスライス炒め1時間。これを省略すると絶対旨いカレーにならない。体積が1/10になった焦げ茶色のタマネギは、カレーのルーの中ではその存在感がまったく分からないほどになっている。
スパイスはいろいろ入れるが、中でもシナモンのスティックを1本投下するのはわが家のカレーを特徴づけているかもしれぬ。自家製ニンニクも入れましたがね。
本業の仕上げが滞っているというのに忙しい季節になってしまった。この季節は畑に植えたり蒔いたり草も生えてきておまけにシラカシの落ち葉が積もる。外回りだけでもやることがいっぱいなのだ。保存しておいたサトイモとヤーコンとコンニャクイモの根茎だが、麦穂わらにくるんでおいたにもかかわらずサトイモは全滅。ヤーコンは発砲スチロールの箱に入れたのがよくなかった。半分はダメになった。けっきょく杉樽に麦穂わらに入れたコンニャクが元気よく発芽。
この頃、町に買い出しに行くときは小さなクーラーに保冷剤を入れていくことにしている。魚の保存のためである。最近のスーパーは保冷用の氷を分けてもらえるが、車のトランクに入れて長時間移動するとなると、夏は心もとないのだ。
いつものスーパーで安売り切り身を購入。シイラという魚だが、ほとんどの人は名前で魚体はイメージできまいが、僕はむかし海でもルアー釣りをやっていたことがあるので、釣り雑誌なんかでシイラは知っている。
これで魚のカレーができる、と思ったのだ。丸元氏のレシピに「めかじきとナッツのカレー」というものがある。前から気になっていた。それをシイラでやってみよう、というわけ。
99年初版の『楽しもう一人料理』(講談社)では「魚カレー」p.46という項目でめかじきを使っている。ここでは切り身にいきなりターメリックを混ぜ合わせているが、03年初版の『よい食事のヒント』(新潮選書)「めかじきとナッツのカレー」p.196では、切り身にまずたっぷりの塩をし、30分冷蔵ののち、流水で塩を洗い流し、ペーパータオルで水気をとる、という行程を経て、一口大に切りカレー粉をまぶす。・・・と進化している。
ここに定住して今日でちょうど1年になる。というわけで昼からお祝いの酒盛りでもやりたいところだが、暑いさなか畑でくたくたになるまで汗をかく。6畝ほど耕してキャベツとタマネギの種を蒔いた。キャベツは春蒔きをやってみたが結球せずカメムシなどの虫害がひどかった。そこで下側の畑に場所を変え、木質系堆肥を漉き込んでそこに蒔いた。
「耕す」といっても僕らの畑は傾斜があって耕耘機は使いづらいので手鍬でやっている。だからそんなに深く掘るわけではなく、表面の雑草の根を掘り返して取り出す程度である。これぐらいはやっておかないと、種から育てるには雑草の妨害が強過ぎてしまうのだ。
雑草の根を起こすとき鍬は短めの2本鍬が便利だ。斜め上に立って進行方向に向かって土を山側に上げるように掘り進んでいく。その後、軽く土をほぐしながら、雑草の根や石などを取り去る。次に畝切り鍬で畝の溝を切って畝山をつくっていく。斜面の畑で最も重要なのは耕転のさい土を谷側に落とさないことだ。雨のたびに畑の表土は谷側に移動しているから、作物が育っている最中も、畝の斜面を平鍬でひっかくように山側へ土寄せする。畝切りのときはさすがに山側に立ってするのは腰に負担がかかるので逆位置になることが多いが、鍬使いのトータルで土の移動が下がらなければいいわけだ。
雑草を抜かずに、作物の成長を阻害するようになったら根元からカマで切り取るようにすると、この表土の流れはずいぶん防げる。そして刈り取ったものを作物間にマルチ(伏せて)しておくとさらに効果的だ。
周囲の畑では雑草は徹底的に排除されているので、表土はかなり流れる。そこで肥料を大量に入れる畑もある。山の畑は小石が多く、水はけは抜群によく地面が暖まりやすい。だから即効性の肥料が効きやすい。土地の人に「昔よりもカメムシが多くなった」と畑の被害を聞くことが多いが「肥料のやりすぎ」が原因ではなかろうか(※)。また、かつてはコンニャクを出荷する農家が多く土壌消毒剤をどこでも使っていた。いまそれが少なくなって、土が自然化する過程なのかもしれない。
今年の春、初めて畑を起したときに比べて、土はとても柔らかくなり、ミミズもたくさん出てくるようになった。山の畑はその上にある山林から雨のたび土が補給される。また落ち葉などの木質素材が大量に入手でき。自然堆肥が簡単につくれる。雑草のコントロールで表土を流さないことは、斜面の畑で自然農をしていく上でとても重要なことに思える。
手を休めて振り返れば、雑草と共存した美しい畑が広がっている。これに慣れてしまうと、露出した土と作物だけしか見当たらない畑のほうが、異様な光景に見えてくるのだった。
明るいうちに風呂で汗を流し、2回目の収穫の枝豆とカレーライスで夕食。採りたての枝豆は短時間で茹で上がる。自然塩をふって風で冷ますと風味が守られて、味も素晴らしいが栄養価もまた凄いのだろう、食後にこれだけで満たされたような充実感がある。モロヘイヤも採りきれないくらい育っている。これはさっと茹でて醤油をかけて食べる。くせがなくぬめりがあって便利な野菜だ。カレーのジャガイモとニンジンは自家製。来シーズンはタマネギも、ね。
追記:カメムシはスギ・ヒノキの球果の汁を幼生時代からのエサとするので、拡大造林でスギ・ヒノキを増やしたこと、その手入れを怠っていること、が原因と後で知った。