この敷地をお借りするとき大家さんに「このへんはいつもジメジメしていて、クリンソウの株があったんだけど・・・」と言われて、僕らは注意していた。そこは水源からのオーバーフロー水が染みていく場所だった。厚く茂った草を刈り、排水溝(といっても幅10~15センチメートルほどのもの)を掘りなおして、春先に見つけたそれらしいロゼット株を保護していった。
そうしたら、見事にクリンソウの数株が開花した話は、昨年のブログにも書いた。そのタネが落ちたのと、さらに埋もれていた株が復活したのか、その場所には100株はあろうかというクリンソウの密集地帯となってしまった。最初に優勢だったワサビの株が、負けそうな勢いである。
しかし、ワサビもしたたかなもので、花が終わって実がつく頃には、茎をランナーのように伸ばし始めて横に寝ていくのである。これで種をこぼせば、水流に乗るものもあり、かなり広範囲に勢力を拡大できるのだろう。もちろん僕らは、ワサビとクリンソウが優勢になるように草刈りなどの手入れをしている。ユキノシタも少し残している。

アトリエ敷地にツツドリが「ポポポポポ」と鳴き出した。それにウグイスの「ホーホケキョ」、アオバトの「ホーワーオー」、キツツキの「タラララララ・・・」というドラミングの音が加わって、外で折りたたみ椅子に座って本を読んでいると、その様々なミックス音が耳を楽しませてくれる。鳥の声だけではなく、庭先にツツジが咲いたものだから、それにハチやアブがやってきて「ブーン」という羽音も混じっている。

東町、吾妻町と、なかなか風光明媚ないいところである。役所で地図やパンフレットを入手。驚いたことに、ダム建設側が周辺のハイキングガイドを作っている。役所の担当者のしゃべりの雰囲気ではすでに「ダム建設はゴーサインが出ていている。もう白紙撤回されることはない」を確信している風に受け止められる。その八ツ場ダムのダムサイトは「吾妻渓谷」の上部につくられる。ハイキングガイドを参考に白糸の滝まで歩いてみた。上毛カルタに「耶馬渓しのぐ吾妻渓」と詠まれたこの渓谷も、ダムができればズタズタになるだろう(白糸の滝は付近は水没する)。