風雪害の山と岩場の針葉樹


四国の北部沿岸線を通る国道11号線を、高松から西へ、松山方面に向かうと、ちょうど愛媛県境辺りで讃岐平野が終わり、大きな山稜が迫って来る。そこから先は、石鎚山を抱く四国山脈を背にした海岸線の平野部を、狭い2車線道路が進んでいく。

やがて川之江の製紙工場の煙突群が見えて来る。ここは大断層である中央構造線の上でもあり、讃岐山脈の尾根の始まりと四国山脈がぶつかる所で非常に複雑な地勢をしている(いま川之江市は合併し「四国中央市」という名前になった)。

その11号の川之江のやや先、伊予三島から国道319号が分かれて峠を越え、金砂湖(吉野川の支流・銅山川をせき止めたダム湖)へ抜けると、そこから銅山川に沿って上流に県道が伸び、旧別子銅山跡を超えて新居浜に下りることができる。

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8日目/小豆島~高松~別紙中山~高松


宿で朝食後、岸壁にはりつくお寺に登りに行った。和尚さんに指輪のいわれなどを聞く。指輪とは本来「願掛け」の印で、草の環を使っていたのだそうだ。小豆島観音像をまわり、財産区のヒノキ林を見にいく。台風被害の雪折れ(根からの倒復)が目立った。シンパク巨樹を見て池田港から高松へ渡る。
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5日目/穴吹~貞光~大豊~早明浦ダム(大川村)~西条(愛媛)~別子~高松


大川村を目指した。早明浦ダムの集水域の人工林は各所で崩壊だらけであった。国道には工事車両、大川村役場は工事事務所のようになっている。「この台風で1年分の仕事が確保できた」と土建会社は喜んでいる。崩壊した箇所はコンクリートで塗り固められる。そこから崩壊面の線香林が針のように突き上げている。いま、日本の山でそんな光景が増えつつある。
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