大川村を目指した。早明浦ダムの集水域の人工林は各所で崩壊だらけであった。国道には工事車両、大川村役場は工事事務所のようになっている。「この台風で１年分の仕事が確保できた」と土建会社は喜んでいる。崩壊した箇所はコンクリートで塗り固められる。そこから崩壊面の線香林が針のように突き上げている。いま、日本の山でそんな光景が増えつつある。
愛媛に抜けた。こちら側の崩壊も酷かった。別子中山にある住友林業の施設「フォレスターハウス」に向かった。昨年、とあるデザイン事務所から『図解 これならできる山づくり』のイラストを使いたいとの依頼を受けた。住友林業が四国に林業のビジターセンターをつくるにあたって、展示の中に本中のイラストを使いたいということで、その完成した施設を見に行ったのだが、なんと休館日だった。
しかし周囲には「保存林業／SUSTAINABLE FORESTRY」の思想を具現した「強度間伐・広葉樹との復層林」のヒノキ林があって嬉しくなった。ここは住友林業が「これからの社会にふさわしい森林管理のかたちを目指し」「木材生産と自然環境との調和共生の森づくり」をしているという。エコシステム対象山林1,477haのうち「高伐期複合構造林実験林」107ha、天然ヒノキ保存林171ha、ブナ・モミ・ツガ原生保護林347haがあるとのことだった（立て看板より）。
高松のビジネスホテルに投宿。夜は相方の実家のご家族と会食。その後、カラオケに行く。相方の家系はみんな歌が上手いが、父上はプロ並の歌唱力を持っていてレパートリーも豊富だ。演歌はもちろん小学校唱歌から最近の歌謡曲まで。
SHIZUKUはこれまで自然系の歌詞で曲目を増やしてきたが、今後は子ども向けやご年配の方々にも喜んでいただける歌を増やしていきたいと考えている。そこで、父上から歌の本なども借りて、僕らが歌いたくなるいい歌を採取することにしたのである。