今年はヤマユリの株がずいぶん増えた。地中に眠っていたものが、草刈りで息を吹き返したのかもしれない。が、つぼみの多さに期待をしつつも、なかなか開花しなかった。花咲けばふくよかで高貴な匂いが流れてくる。これがヤマユリのすばらしいところであり、球根がまた食用になるというおまけ付きだ。

囲炉裏暖炉のある家 tortoise+lotus studio
イラストレーター・著作家、大内正伸のブログ
今年はヤマユリの株がずいぶん増えた。地中に眠っていたものが、草刈りで息を吹き返したのかもしれない。が、つぼみの多さに期待をしつつも、なかなか開花しなかった。花咲けばふくよかで高貴な匂いが流れてくる。これがヤマユリのすばらしいところであり、球根がまた食用になるというおまけ付きだ。

草取りをずいぶんサボってしまったのと、雨続きで畑の作物が寂しい。それでもレタス、キャベツ、セロリを採取。シソとラッキョウとクルミを入れたサラダにする。もりもりと力が湧いてくるような味わい。相方と2人で皿いっぱいを平らげてしまう。

今年は四国取材で時間を使ってしまい、畑や敷地の手入れが遅れているので尾瀬キャンプへ行けそうにない。日帰りで草津白根山へコマクサを見に行くことにする。日本有数のコマクサ群落地であるらしい。帰りはもちろん草津温泉で汗を流すのだ~。
草津の温泉街を抜けて登山口のレストハウス駐車場へ向かう道は、すでに硫黄の臭いがして「危険のため駐停車禁止」の立て札がある。そんなわけで高い樹木がないので、なんとも日本離れしたダイナミックな風景の中を、コペンを走らせていく。途中からオープン走行を楽しむ(コペンはボタンひとつで屋根がトランクに格納され、運転座席に座ったままオープンカーに変身するのである)。
駐車場から登山靴に履き替え、いちおう傘を持って出発する。弓池にはワタスゲの群落、途中でクジャクチョウやミヤマモンキチョウに出会う。後者は和製ブルーベリー「アサマブドウ」を植樹とする高山蝶だ。リフトで時間を稼いでコマクサ群落のガレ場へ一気に登る。ところで駐車場は400円、リフトは350円となかなか良心的な値段だ。

朝、Y先生の奥様が来訪。9月のららん藤岡での個展の打ち合わせをする(8月下旬の予定が9月中旬に変更になりました)。写真を30点出展してくださるそうだ。個展のタイトルは「山暮らしと花」に決まった。僕はアトリエでの花のスケッチを中心に、それを相方に表装してもらって出展する予定。それといっしょに、ずっと昔に取材した日本アルプスの高山植物のスケッチなども展示したいと考えている。その後、前々日に雷で中座していたY先生の敷地の草刈りを仕上げにいく。
新作紙芝居の原稿を書く。夕刻、またアイデアが生まれて、新たに曲をつくる。なんと30分くらいでできてしまった。作詞作曲は、悩むときは1日じゅう悶々と悩むが、できるときはこんなもんだ。『繭の音(まゆのね)』というおカイコの歌だ。
満開のクリンソウにカラスアゲハとオナガアゲハが訪れた。アゲハ類の春型は本当に美しい。チョウの中には春と夏、あるいは夏と秋の2化で、羽の形や色彩を微妙に変える種類がある。春型は小型で、爽やかな明るい色彩のものが多い。春のそんなチョウたちが、敷地の手入れで再生した花々に訪れるのを見るのは本当に、本当に嬉しいものだ。
