今日の宿は愛媛県の西条市のはずれ。松山の定宿は満員で予約がとれなかった。西条は石鎚山系からの湧水が有名で、酒どころである。地元のスーパーに立ち寄ってみると、見慣れないラベルの「石鎚」を発見したので買ってみる。
石鎚無濾過純米槽搾り(いしづちむろかじゅんまいふねしぼり)。松山三井という地元の米、自家培養酵母、そして昔ながらの槽搾り(遠心分離など機械を使わず純粋な圧縮搾り)。
無濾過とは濁り酒のことではなく、炭素濾過を行っていない酒という意味だ。白濁した原酒はしばらくすると沈殿して黄金色の上澄みが残るが、普通はそこに活性炭の粉を入れて無色透明に近づけ、雑味を消す作業を経る。
宿で封を切ってみると、これはすばらしい! フルーティな吟醸酒そのもの、だが飲み飽きない。ほんのり杉樽の香りもする。松山の蔵元屋で石鎚はいろいろ飲んだ記憶があるが、これは特別という感じがする。値段も高くないのだ。