単行本の仕事がようやく手を離れた。と思ったら雪が降り、外に出られずぼーっと一日を過ごしたりした。その後、前々からやらねばと思っていたHPの手直しやページの追加をする。
ギャラリーのページにフレームをつけ、目次を左に寄せて、過去の絵地図やら雑誌に掲載された作品をアップ。YKの書や篆刻も登場。
囲炉裏暖炉のある家 tortoise+lotus studio
イラストレーター・著作家、大内正伸のブログ
単行本の仕事がようやく手を離れた。と思ったら雪が降り、外に出られずぼーっと一日を過ごしたりした。その後、前々からやらねばと思っていたHPの手直しやページの追加をする。
ギャラリーのページにフレームをつけ、目次を左に寄せて、過去の絵地図やら雑誌に掲載された作品をアップ。YKの書や篆刻も登場。
前日から『現代農業』連載の本描きにかかる。しかしまあ毎回毎回、なんと手の込んだイラストだ(笑)。編集部でOKのでた下書きラフをじわじわ本描き用に細部まで仕上げ(この時点で下描きの紙は消しゴム跡でボロボロ)、それをライトボックスで水彩紙に鉛筆でトレース。水彩紙に直接下書きしないのは、厳密な線や手書き文字を含むイラストなので、描いては消しという繰り返し作業を水彩紙に落としたくないからだ。
下書きを正確にトレースされた線を練りゴムで淡く消し、ペンの線で仕上げていく。下書きの線が正確だからといって、その上をペンでなぞれば絵ができ上がるかというと決してそうじゃないのが絵の恐ろしいところなのだ。下書きの淡い線をたよりにしながらも、ここはゼロからモノを描く気持ちでいく。鉛筆の線に甘えると失敗する。水彩ペンの0.05ミリ、0.1ミリの2本を使い分け、微妙なタッチで線に強弱をつけることを忘れない。
連載イラストの中には丸や楕円のシャープな線が求められることがままある。手描きで正確に描くのは難しいのでここは楕円定規や雲定規を使う。定規を使ってシャープな線をみせることで、人物などのジャギーな線がひきたってくる。全体としてメリハリが出、豊かな印象になってくる。これが線のマジックだ。が、この定規の使い方がまた、非常に職人的で難しいのだ。
この楕円定規も2~3枚持っていればいいかというと、とんでもないのだ。僕が持っているのは、東京神田にある「タニー商会」というところで買った楕円定規セットで、楕円角15度から5度ごとに60度まで(35度だけは5枚)、楕円幅4mmから80mmまで、1mmごとに(10mmまでは0.5mmごと)各4枚と、合計で41枚もある。