神戸のホテルで朝飯を食べて、広島へ向かった。山陽道ではなく中国自動車道で行ってみた。中国山地の山の変遷を見たかったからだ。
北広島町の千代田ICで下りて「三八松浦」でお好み焼きを食べてから下道を261号へ。この辺りは石州瓦(せきしゅうがわら)の赤い屋根の古民家がたくさんある。そして石垣がすばらしい。
路傍に積み残した石があったので観察すると花崗岩だった。
191号に入り、8月の広島土砂災害の現場のひとつ、安佐北の崩壊地を観察する。ここは人工林が密集している斜面だ。
大きな崩壊地は二つあり、いずれもカーブする太田川に大量の土石が流れ込んでいる。航空写真(こちらの1枚目)からも手入れ不足の人工林がこの被害を大きくしたことは容易に推察できる。幸い民家はなかったので、ここでは死傷者は出なかった。復旧工事が始まっていた。
やや下流にも二筋の崩壊跡が確認できるが、いずれも最上流部には人工林が見える。
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可部東6丁目。崩壊筋の下部右側に人工林があるが、始まりはマツ枯れ跡の広葉樹林のようだ。
左上部にマツ枯れの白骨樹が見え、中腹右斜面に若いヒノキ林が見える。
水路には土嚢が積まれている。被害を受けた人家が痛々しい。可部東では4人が生き埋めになり、消防司令補が少女を救出中に土石流に巻き込まれ、殉職した。
三入南1丁目。奥に治山ダムらしきものが見え、上流は人工林が密集している。かなりの土石が噴出した模様だが、すでに片付けられている。数本の大きなケヤキが残っている。
近くにできたばかりの建て売り住宅が数棟。買い手はつくだろうか。
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その後、最も被害の大きかった八木地区に入ってみたが、道が細く、復旧工事が行なわれて邪魔になりそうな雰囲気。
下の車道から双眼鏡で観察し、今日はひとまずこの辺で引き上げる。