明日、兵庫県川西市で講演と現地研修を依頼されており前入りする。兵庫県は里山保全に力を入れているそうで、行政(兵庫県並びに各市町)も人材育成に予算を充てたりしている。今回の場所は「国崎クリーンセンター」の啓発施設「ゆめほたる」内で、敷地内の山林の保全活動を行っているボランティアグループを中心に、午前の講演の部は一般公募もする。
講演タイトルは「森を育てる山里暮らし〜森川・微生物・動物と楽しく暮らす山里DIYのこと〜」。僕の肩書きは「イラストレーター・著作家、山暮らしの達人」(達人=赤面;)
前日、講演用のスライドをまとめてみたのだけど、タイトルがだだっ広いだけにまとまらず、表紙と数枚を作って挫折(笑)。今日の打ち合わせを経て作ることにして、ちょっと遅れて13:00過ぎに現地到着。
川西市は初めてだが、地図をみると先日縄文小屋を作った茨木市が近い。大阪府との境なのである。知明湖(ちみょうこ)というダム湖(一庫ダム/ひとくらダム)があり上流部にキャンプ場がある。地図でみるとその南側には団地が、そして周囲にはゴルフ場が多数ある。まあこれは大都市が近い里山の典型的な姿だ。
担当者のMさんからいろいろ説明を受けているうちに、ここ一帯が大きな鉱山(銅鉱)跡であることを知った。またソメイヨシノの原種であるエドヒガンが群生しており市の天然記念物にも指定されているという。
国崎クリーンセンターは兵庫県川西市・猪名川町、大阪府豊能町・野瀬町の1市3町が共同運営するゴミ処理施設である。同じ建物に隣接して環境学習施設である「ゆめほたる」があり、ここではエコについて学べるワークショップや木工教室、そして周囲の里山を利用した観察会などが行われている。
この地の里山再生に活動されている「ゆめほたるクラブ」のリーダーFさんにもお会いし、Mさんとともに現地の山を案内していただいた。所々に間歩(まぶ)と呼ばれる鉱山採掘坑跡(人が一人入れる程の穴)が見られその周囲にはズリ(発掘時のクズ石)の堆積跡がある。そこには鉱山地質特有の植物であるシダ(ヘビノネゴザ)やハクサンハタザオが見られた。
また炭の生産地でもあったようで台場クヌギがたくさんある。現在でも茶道用の菊炭が近隣で生産されているという。シカの食害もかなりあるようだが、シカ柵の内部はよく守られており、ササユリやギンリョウソウがあったのにはちょっと驚かされた。
宿を決めていなかったので施設の方が池田にビジネスホテルを見つけてくれ、夜は弁当を買い込んでそこで資料づくり。昔の講演資料を改訂しながら明日のメンバー用に編纂していく。今回は僕の昔の森林ボランティアの写真なども入れようと考えた。