柿はここに越してきて2年目の2016年にバラ、レモンと同時期に植えた。「大地の再生」の水脈を入れるまであまり育たなかったが、昨年はやっと実ををひとつて食べることができた。「桃栗三年柿八年」というから、まさに8年目の(苗床時代を2年とみて)収穫だったかもしれない。
さて、昨日制作した柿の葉寿司を冷蔵庫から取り出してみる。
いい感じに圧しが効いているようだ。
柿の葉で包むことによって魚の身はぴかぴかに艶が出ている。
裏はこんな感じ。この一体感が押し寿司の醍醐味。食べてみる、美味い‼️
辰巳浜子の不朽の名著『料理歳時記』(中公文庫1977)には、
ちょうど5月は新鮭のひと塩が入荷するので、鮭と卵焼きを使うことにしています。鯛の昆布〆でも新しい小鯵でも、ご自由になさればよいでしょう。(中略)
半日くらい重石がかかったおすしは柿の香りが移って、柿のどんな成分がしみ移るのか知るよしもありませんが、とにもかくにも、まったく素晴らしく美味しいおすしです。
と手放しの賛辞が書かれている。市販の柿の葉寿司は僕がしたように柿の葉の表側で包むが、辰巳浜子は「表が外側になるように」と記している。次回はそれでやってみようか。
また「すしを漬け込む器は木製がいい」とも。とすれば杉の飯切りが素敵だなぁ。。。
ところで押しぶたに使った杉板は今回の柿の葉寿司に合わせて急遽こしらえた。下屋にストックしてある杉板をサイズに切ってさっとペーパーをかけたものだ。杉の木の香りは爽やかで料理に触らない。こんなときも、まったく杉は素晴らしい素材だと思うのである。
その杉ふたをそのまま皿にしてみた。食べ終わった後の姿も美しいではないか。
今年は多数の花が咲き、実がふくらみ始めている。収穫の秋がまた楽しみだが、前出『料理歳時記』には「紅葉した秋の葉はしなやかで包みやすい」とも書かれており、柿の葉寿司は2シーズン楽しめるらしい。
秋は鮭だな♬