フェンネルの佃煮、そら豆のパスタ、干し豆考


畑のフェンネルが元気だ。あまり他の野菜が育たない不毛の畝に移植したのに実によく育っている。とはいえ基本ハーブなのであまり使い道がない。が、欧米ではバルブと呼ばれる茎の付け根の膨らんだ部分をスープに使う。というわけで豆と組み合わせたスープを何度か作っている。これはショウガをちょっと効かせ、塩レモンで味付けすると素敵な味になる。

が、これはご飯には合わない。和食としての使い道はないものか? フェンネルはウドに似た風味ではある。覚えたての手塩で同じようにやってみることにした。まずはスライスして水にさらしておく。その水気をとって軽く塩をし、よくもんでさらに出てきた水分をしぼる(やや硬くしぼりにくいのでキッチンペーパーで拭き取る)。

それを鉄パンにうすく油をひいて弱火でじっくり炒める。最初、青臭いような嫌な臭いがしているが、それが消えて香ばしいような匂いが立ってきたところで、かめびしの薄口醤油を水で割ったものを加え、右回転で回しながら、水気が飛んだところで出来上がり。

これが予想以上の味でびっくり! あの無用のフェンネルが美味しい野草に変わって瞬間だった(笑)。

野草といえば、勝手に生えてくるノイバラだが、剪定して育てていたら花をたくさんつけてくれた。切り花にして飾るといい匂いをたてる。トイレに入るとバラの香りがするのだ。昨今の化学的な芳香剤の安っぽさとは大違いですぞ!

夜は頂き物のそら豆でアンチョビとパスタに。

やはり、この季節にいちどは食べておかないと気が済まない逸品♬ しかし若杉ばあちゃんの本によれば、一般に未完熟の青豆は陰性で(中でもそら豆は陽性だそうだが)、昔は完熟して干したものを使うことが多かったそうだ。

昔、エンドウ豆はソラマメと同様に今のような未熟で陰性な青いものを食べる習慣はなく、カラカラに干して小豆(あずき)の代わりに餡(あん)にしたり、保存食として作られていた(若杉友子の野草料理教室・改訂新版)

そういえば農家だった僕の父方のお婆さんもエンドウ豆の干し豆をよく作っていたな。丸元淑生に感化されて豆に目覚めたとき、お婆さん直々にその干し豆を貰ったことがある。餡にしたことはないが、今度やってみよう。

それからソラマメはいつも翌年のタネ用に干し豆として保存しておくのだけど、豊作だった年にそれを水で戻してスープにしたら美味しかった。こんな使い方をみんなどうしてやらないのかな?・・・と考えてみたら「干しそら豆」なんてスーパーで売ってないわなw。


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