石見焼の甕にイタドリを漬ける


大阪「墨歌」の酒井さんからイタドリ用の陶器の甕が届く。いっしょに梅酢2種を入れてくださった。甕は石見焼きの色とデザインも素敵なものだった。

さっそくビニールから取り出して移し替えた。塩漬けの液体もそのまま。

中蓋をして(これも本当は杉板がいいのだろうが、とりあえずプラで)庭からちょうどいい大きさの石を拾ってきてよく洗ってから載せた。

「石見焼き」良いな・・・。石見と書いて「いわみ」と読む。石見銀山の石見であろう。萩ばかり買いに行っていたが、石見焼きはまだ窯元を訪ねたことはない。場所は萩の隣の島根県で、主な製造所は江津市、浜田市、益田市、大田市、津和野町だそうだ。

石見焼きは江戸時代中期に山口県の陶工より製陶法を習い、片口や徳利等の小さな製品が作られるようになり、その後岡山備前から水甕のような大きな陶器製品が伝えられたという。江戸~昭和の生活を支えた頑丈な生活陶器である。

とくに大きな水がめは江戸時代北前船によって全国へ出荷され、石見の「はんど/はんどう」として親しまれた。飯銅(はんどう)とは水を貯蔵するための大型の粗陶器(水瓶/水甕)をいい台所で飲用水を汲み置くのに利用されたが、もちろん漬物や味噌造りにも重宝されたのだ。石見焼や温泉津焼の茶褐色の飯銅は耐水性や耐酸性が高いことで「石見丸物」として特に有名だったそうだ。

自然の味を追求すると調理器具や保存容器にまでこだわりが進むのは当然のことで、酒井さんの師匠の若杉ばあちゃんも書いているが、テフロン、アルミはおろか、ホーロー鍋も使用を避けるべきという(外国製やノーブランドのホーロー鍋からカドミウムなど重金属が出ることがある)。

さて蓋をして、このまま下屋で1年寝かせる。ラベルを貼っておいた。

モチツツジが咲いた。

そろそろオヘビイチゴの黄花に混じってニワゼキショウが咲き始める。これは外来種だが、葉を見ればわかる通り単子葉植物のアヤメ科である。

ラベンダーの近くからアケビのつるが出てきたので這い上がれる枝を作った。

昨日、キクイモを少し間引いたのだが、新芽が食べれるというので摘んでみた。右はセリである。大地の再生で池と水路ができたらセリが生えてきたのだ。

セリはおかゆに入れた(美味!)。

キクイモはアク抜きしてから白和えにしてみた。ネットでは無味とのことだったが、そんなことはなく、ほんのり独特の風味があって美味しい。

ところで酒井さんにもらったセラミックのフライパンだが、これでゴマを煎るとすごく美味しい! 遠赤外線で底が均一に熱せられるからだろうか? そういえば昔のゴマ入り器は「ほうろく」といって陶製だった。

美味しい煎りゴマをすり鉢で擂ったものはもちろんたいへん美味しい。そして擂ったゴマは油分がどんどん酸化するので、煎りたての擂りたてがもっとも美味しいに決まっている。

使ってみるとわかるがセラミックは表面がよく滑るのでゴマが大変煎りやすい。野草料理はゴマ和え・白和えなど、とくにゴマを頻繁に使うので、ゴマ煎りをおっくうでなく美味しくできることはとても重要であり、そのためのセラミック・パンは必須の道具といえる。もちろん調理の際に金属成分が溶け出すことがない。酸にも強い。酒井さんが強く推しているゆえんである。

調理道具や保存容器が家庭料理の質を(それはもちろん健康にも直結する)決定づけるということがあるのだ。そして蛇足ながら、昔の囲炉裏端は「煎る」「擂る」という所作が大変やりやすかった話は以前書いた。

電磁調理と擂粉木と(2007.2)


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